イメージ

ゲストインタビュー

第9話 金田賢一

写真

ハンチョウという番組はご存知でしたか?

はい。僕が言うのもおかしな話かもしれませんが、家族で観られるドラマですよね。昨今ありがちな、過激な暴力や過剰な描写がなくて、よい意味で程ほどの部分で描かれている刑事ドラマだと思います。それと、「ハンチョウ」って、刑事ドラマといいながら“ホームドラマ”でもありますよね。
少し話が逸れるかもしれませんが、先日、ある新聞にある映画の話題が載っていましてね。すごくおもしろい映画なんだけど、内容的に「まだ子供たちが寝ていない時間から放送するのはどういうものか?」と書かれていたんです。昔は、夜の9時というと大人の時間だったじゃないですか(笑)。それに昔は「ここはお父さんが観る時間」とかありましたよね。でもそれが、最近では時間の観念が変わってしまっていて、「子供に見せるにはどうか?」という番組も目に触れやすくなってしまった。そんな中、この「ハンチョウ」という番組は、家族で安心して楽しめる、今となっては貴重なドラマかもしれませんね。

台本を読んだ感想は?

「医療はどうあるべきか?」という話題は尽きないところですけど、特に昨年の震災以降、よく耳にするところだと思うんですが、その医療現場で起こったことを背景に、医療の根本でもある「命の重さ」というものをテーマにした、非常に興味深い台本に出会えたと思います。また、事件のトリックも一筋縄ではいかない、おもしろいものですね。

今回演じられる神坂孝介とはどんな人物でしょうか?

非常に有能な心臓外科医という設定です。あまり言うとネタバレしてしまいそうなんですけど、医者は“人の死”に抗っていくものだと思うんですが、その、患者を助けたいという気持ちからあることが起きてしまい、それが今回の事件に繋がっていきます。
そうそう、ロケの合間、佐々木蔵之介さんとゆっくり話す機会がありまして、「医者の役ってよくやってらっしゃるんですか?」って聞かれたんですけど、実はほとんどやったことがないんですよね。何回もやっているように思われたかもしれないけど、今まで1、2回くらいじゃないかな…。

この神坂という役を演じる上で気をつけたことというと?

特に気をつけたことはありませんが、我々、役者は、テレビや舞台でどんな役をやっても、「その枠の中にどういられるか?」、「そこで息をしていることが普通のことの様に見えるか?」ということがとても大事だと思っているので、まずはそこでしょうか。
別な言い方をすると、なにか特異なことがあってはいけないと思うんです。もちろん、役のキャラクター、人物の背景は考えます。例えば、今回演じる神坂という医者は「お金でなんでも引き受けてしまう医者なのか?」それとも「“医は仁術”という理想を持って患者と向き合っている人なのか?」ということは柱として把握しておき、その上で今回の役を演じさせていただきました。話のテーマとしてはすごくシリアスでしたが、楽しくやらせていただきました。

撮影現場の印象やエピソードなどはありますか?

安積班のメンバー全員とはご一緒できなかったんですけど、演者、スタッフ共に一つのチームとして楽しんで、作品制作に取り組んでいるという感じは伝わってきましたね。医者という役をほとんどしたことがなかった僕ですが、スッと役に入れたのは、演じやすい環境を作ってくれたチームのおかげだと思っています。
それと、余計な話かもしれませんが、ボクのかみさんが「蔵之介さんと会えるなんていいなー」ってうらやましがっていましたね(笑)。

最後に第9話の見どころというと?

う〜ん、難しいですねぇ…あまり言うとネタバレになっちゃうし(笑)。でも、一つ言えるのは“命の重さ”とか“生きる”という難しいテーマに取り組んでいるところでしょうか。特に大きなアクションや派手なシーンはありませんし、どちらかというと淡々とした話かもしれませんが、“親子愛や”“医師と患者さんの信頼関係”などの描かれ方は、ご覧になられる方の琴線に触れるものだと思います。ぜひ、ご覧ください。