インタビュー 島崎康介役 岸谷五朗さん

――今回作品への出演を決めた経緯をお聞かせください。

たまたま10月にやるはずだった仕事が1月に変更になって、スケジュールが空いたんです。そういう空いたときに僕は脚本を書きにニューヨークによく行くんですが、9月にすでに行っていたので、今回初めてバリ島に行って、バリは家具が面白いものが多いので見てたんです。そしたら事務所から「こういう役のお話がきています」と連絡があって。それが「バリ島で家具を作っている男」という康介の役。誰か今の僕を見てるんじゃないかと思いましたね(笑)。でも1話から作品を見させていただいたらバリの家具が出てきていて、康介の影がずっとあったので、運命的だなと思いました。
けれど、そのときもまだ今回の役を引き受けると返事はしていなくて。それから3、4日後に地元の人しかいないような海の家で食事をしていたら1人だけ日本の方がいて、話してみたら「『中学聖日記』という作品にバリの家具を提供してるんです」って言うんです。これはもう誰か絶対バリに送り込んだなって(笑)。
しかも、相手役のお母さんが夏川結衣さんだと聞いてさらに驚きました。夏川さんとは僕が企画した「私たちが好きだったこと」という映画でヒロインをやってもらったんです。僕と夏川さんが演じる2人のラブストーリーで、その2人の恋がうまくいっていて子どもが生まれていたらちょうど晶ぐらいの歳なんですよ。その上、役名を聞いたら「愛子」。映画の役と同じ名前(笑)。これはもう勝手に周りから役作りさせてもらっているようなものだと。もちろん今回の夏川さんの役は映画の時とはまったく違うものなんですけど、彼女をイメージした際に僕はすごくやりやすかったんです。きっと神様がやれって言ってるんだなと思って「お引き受けします」とお返事しました。
こんな特別な出会いをした役はこれまで芝居をしてきた中でも初めてです。普通役作りって自分から入っていくもので、今回も本来なら役が決まってバリ島に行くのが普通。でもそれが全部先にできていた(笑)。本当にびっくりしましたね。

――そんな運命的な出来事を経て出会った役、晶の父・康介を演じるにあたって意識された点を教えてください。

職人であること、愛子と別れてしまった理由、そして島の男らしいおおらかで大きい人間である、という点は意識しました。晶は少し現実逃避をして島にやって来るので「そんなの気にしなくていいよ」と言えるような、久しぶりに会う子どもの背中を押す存在になればいいなと思って演じました。外見面では、役のために髪を切ったりなどはせず、そのままの髪型をぐしゃぐしゃっと無造作な感じにしてもらいました。衣装もきつめのパンツとかではなく、全体的に体を拘束されないゆるいシルエットになっています。そういうところからも島の男らしさが出ているのかなと思います。

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――康介は家具職人という役どころしたが、撮影では実際いくつか職人らしい作業もされていました。

中学生時代の技術家庭の時間を思い出しました。こういった作業は好きな方だと思います。実際、舞台で大道具のスタッフと一緒に作業したりもしていて、自分のガチ袋(舞台の大道具のスタッフが釘などを入れるために腰にぶら下げている道具袋)やナグリ(金槌)も持っていますから。それとはまたちょっと違いますけど、遠い感じではないので楽しくやらせていただきました。

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――聖役の有村架純さんの印象は?

作品を拝見させていただいたときに感じた「まっすぐさ」というものが2人からとても伝わってきました。有村さんは、もともと彼女が持っているストレートさが純愛がテーマの今回の作品に非常に合っていますし、たった一言のセリフの中でも心の流れをつかんで表現するのがすごく上手な女優さんだなと思いました。

――康介の息子である晶を演じる岡田さんは今作が演技初挑戦の場でした。

まだ原石で、下手するとまた磨かれてないような原石かもしれないけれど、今回の役で素朴なところや彼の良いところがたっぷり出ているので、これからテクニックやいろんなものがついてきてさらによくなるんだろうなと感じました。
初めてドラマの世界に入ってうまいわけがないんです。だから演技がキマっているとか、そんなことは監督も誰も望んでいなくて、彼の心から出てくる感情をどう切り取っていくか、追求していくと最後に必ず出てくるキラっと光るものが大事なわけで。それが彼が今回大抜擢された理由だと思うんです。だから一緒に芝居をしていても、上手下手を気にすることはなく、彼の心から出てくるセリフはたどたどしくても彼の感情が表れていて彼の魅力が全部出ているなと思いました。シーンごとに「晶の感情がすごく出てるよ」と本人には言ってましたね。「へへへ(笑)」って笑ってましたけど(笑)。

――そんな岡田さんを見てご自身が初めて作品に出演したときを思い出したりも?

僕は演劇からスタートしましたからね。ドラマとは発声方法も肉体の動かし方もまったく違う。でも、共通することは心、芝居に対する志ややる気みたいなものは同じなのかなと思います。ちょうど僕も19歳のときに芝居を始めたのでその頃の自分と彼の気持ちは似ているのかなと思いました。

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――晶の父親という立場から晶のこれまでの行動はどう思われますか?

そういう恋に落ちちゃうこともあるんだろうなと思います。10代というまだ人間が出来上がってないときに、正義であるとか悪であるとか悪いとかいいとかそういうことではなく、一つの人生として、そういう人生を送るということもあるんじゃないかと。だから、ドラマとして見ていてもドキドキしてワクワクしてしまうのかもしれないなとも思います。

――最後に今後の作品の見どころをお願いします。

晶が父親に会うということが作品において一つのフックにはなると思います。想像していた父親ではないかもしれないけれど、能天気で島が好きで、全然違う世界からやってきたような人が晶の背中を押して、彼がまた一つたくましくなるきっかけになればいいなと思って今回演じました。康介の登場によって作品の雰囲気がガラっと変わることを監督たちも願っていたんだと思いますし、見ていただいた方にもそう感じて楽しんでいただければいいなと思います。

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