インタビュー 原口 律役 吉田 羊さん

――作品から受けた印象をお願いします。

誰かを好きになる瞬間の心のざわめきを丁寧に繊細に描いているなと感じると同時に、いわゆる恋愛ドラマとは一味違うぞという感想を持ちました。それはたぶん、恋のドキドキとかキュンキュンを描くのではなく、その先にある、立ちいかなくなった恋愛がもたらす苦しみや切なさを痛々しく生々しく描いているからなのかなと思いました。「恋愛って素敵だけど、痛いのよ」というのを突き付けられているような大人の恋愛ドラマだなと。タイトルを見て「中学生の恋愛でしょ」と思って見るとヤケドする作品です(笑)。

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――演じる原口律について教えてください。

帰国子女でバリキャリでマクロビアンでバイセクシャル。役作りをするときに情報が多ければ多いほど俳優としては助かるのですが、今回の場合はあまりに多すぎて一周回ってよく分からないという役どころです(笑)。でも一周回って分からないということはつまり何でもありだなとも思ったんです。なので、現場では割と自由にいろいろやらせていただいています。
あとは、肉食系という設定ですが、本当に人を好きになったことがあるのかな?と思うところがあるんです。そんな彼女が勝太郎と出会って、本当に人を好きになっていく。「まさかこんな人を好きになるなんて」となったときの原口さんの心の変化を見せられたらいいなと思います。
監督からは最初に「原口さんは晶と合わせ鏡なんですよ」と言われました。晶くんと同じように原口さんも恋愛においては不器用でまっすぐ。その不器用さゆえに自分を傷つけていく原口さんを見ていると恋愛に大人も子どももないんだなと思います。同時に、彼女が発する言葉には嘘がないので、視聴者の方が原口さんというフィルターを通して「それが言いたかった」と思ったり、共感してもらえる役割なのかなと感じました。常識にとらわれない自由さが彼女の根幹で、見ている方がはばかられるようなことをやったり言ったりしても嫌味がない人だと思うので、この先もみんなが口にできないような本音の部分を代弁していけたらいいなと思いながら演じています。

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――役作りで意識していることは?

原作を読むと意外と原口さんの説明って少ないんです。絵を見てもあまり多くを語っていないし、わりとニュートラルな印象を持ったので、私自身で演じると違うなと思いました。なので、今回自分に敢えて“不具合”を課しています。普段自分がしないような動きや言い回しをすることで、吉田羊の考えでは到達できないような原口さんの域に思いや狙いが滲むといいなと思いながら演じています。具体的には、言い回しをフラットにして、なおかつ声を低く、相手が感情を読み取りにくいようなベースを作っています。あとは、本来ならばグッと感情を出し切りたいところを極限までこらえる。そのこらえたさまが原口さんなりの感情の昂ぶりに見えたらいいなと思いながらやっています。ぶわっと出し切るとそれは私自身で、原口さんだったらギリギリまでこらえて表面張力的な見え方になるんじゃないかなと。だから私自身の感覚からするとすごく気持ち悪いのですが(笑)、そうすることで自分も原口さんでいられるんだと思います。

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――髪型や服装、メイクなど外見的な役作りもかなりこだわったと伺いました。

原作の原口さんのビジュアルがとても素敵だなと思ったんです。できるだけ寄せたいと思って、ヘアメイクさんやスタイリストさんたちと話し合って一緒に作り上げていきました。
例えば、私の髪は固くて量が多いので、普通に巻くとかなりボリュームが出てしまうんです。そこで、今回はまずストレートアイロンで伸ばしてボリュームダウンしてから巻き直して、今回の髪型を作り上げています。準備には1時間かけていて、本来ならその時間の中で髪とメイク両方やっていただくのですが、今回は髪だけに集中して作っていただいて、メイクは私がやるという共同作業でやっています。メイクは、原作を見ながら「このメイクになるには何色をどこにどれくらい入れたらいいのか、眉毛はどれくらいの太さにすればいいのか」と原口さんのイメージをメイクさんと一緒に考えて、アドバイスしてもらって作っていきました。濃いメイクだけどシャープではないんです。色っぽさの中に母性を感じさせるような人だと思ったので、根幹にやわらかさというものを入れています。
衣装に関しては衣装さんから「原口さんにはNGがない」と言われたんです。「何を着せても原口さんなら着てそうだ」と思わせる説得力があるというのは武器だなと思い、いろんなスタイルに挑戦させてもらっています。原作ファンの方々の頭の中にそれぞれイメージがあると思うので、今回私が作った原口さんが「これもありだよね」と言っていただけたら嬉しいです。

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――勝太郎とのシーンが多い原口ですが、現場の雰囲気はいかがですか?

勝太郎役の町田(啓太)さんはすごく真面目な方。現場ではいつも役について話し合う時間を作っています。「原口さんをどう扱っていいか分からない」というのをとてもリアルに表現したお芝居をされていると思います。そんな町田さんご自身がお持ちの誠実でまっすぐで彼がいるだけで現場が和むあたたかさ、みたいなものを現場で感じながら私もお芝居に反映させていただいています。

――印象に残っているシーンを教えてください。

先日晶役の岡田(健史)くんと共演したんです。彼のまっすぐで邪念がないお芝居に心を打たれましたね。俳優として襟を正されるというか、本当にまっすぐ心に届くお芝居でした。原口さんが晶に声をかけてそれが2人の初対面というシーンだったんです。だから晶からすると声をかけられたら「この人誰だ?」となるわけで。その感じをリハーサルのときに「いや、僕あなたのこと知らないです」みたいなアドリブで表現してきたんです。結局本番ではやらなかったんですけど(笑)、「あ、意外とハングリーさがあるんだな」と。台本から読み取る力というセンスがもともとあるんだなと思いましたし、俳優としてこの先末恐ろしいなと今後の成長が楽しみになりました。

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――最後に作品の見どころをお願いします。

このドラマは視聴者がこうあってほしいということをことごとくせずにむしろその逆を行くドラマだと思うんです。それが物語の後半に入っていくと、一周回って合致してくるんです、その“妙”を楽しみにしていただければと思います。頭では分かっているけれど止められない恋心や「まさかこんな人を好きになるなんて」という人を好きになって戸惑ってワタワタして…という理屈抜きで人を好きになっていく過程が描かれています。きっとそういう経験って大なり小なりみなさんの中でもおありなのではないでしょうか。ハラハラドキドキ、ギューッと胸をつかまれつつ、時には自分を投影して応援しながらぜひ見ていただきたいです。

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