菊野プロデューサーの無垢なる愛の戯言

僕には映画、本、コミック…大好きな作品がたくさんあります。
それらの作品が僕の創っているTV番組はもちろんのこと
僕の人生や、ものの考え方にも影響を与えていると思います。
そうした僕の愛した作品についての戯れ言です。
『このコラムを初めて読む方へ』

2013年 映画ベストテン 邦画編

2014年2月5日

昨年の1位に私は「かぞくのくに」(監督;ヤン・ヨンヒ)を選ばせて頂いたのですが、先日、仕事でヤン・ヨンヒさんとご一緒する機会がありまして。その後、一緒に食事することもあったりして。
とても素敵な方で、映画に対する愛情が深くて。こういう方だから、あんなスゴイ作品が生まれたんだな、とあらためて思いました。ヤン監督の次回作が本当に楽しみです!!

さて、2013年、邦画のマイ・ベスト10、10位〜6位です。

第10位 「もらとりあむタマ子」
監督;山下敦弘  出演;前田敦子 他

第9位  「永遠の0」
監督;山崎貴   出演;岡田准一、三浦春馬、井上真央 他

第8位  「東京家族」
監督;山田洋次  出演;橋爪 功、吉行和子、 他

第7位  「そして、父になる」
監督;是枝裕和  出演;福山雅治、 リリー・フランキー 他

第6位  「舟を編む」
監督;石井裕也  出演;松田龍平、宮崎あおい 他

「もらとりあむタマ子」
前田敦子って、いい女優なんだなあ。「苦役列車」の時も良かったけど、これはいい。
山下敦弘監督は「天然コケッコー」でも、夏帆を大変魅力的に見せましたが、若手女優を素敵に見せる才能はすごいですね。

「永遠の0」
原作が好きだったんで、映画化を楽しみしていました。
正直、現代のシーンの描き方など、ちょっと不満がないのでもないのですか、日本映画には
かつてなかった圧倒的な空中シーンの迫力と、“生きる”ということに真剣に向き合う人間ドラマに
素直に感動しました。

「東京家族」
今から、23年前、私が大学2年生のときに、「東京物語」(監督;小津安二郎)を見ました。
日本を代表する名作ということで見たのですが、正直、当時そんなに感銘を受けた記憶は
ありません。そして昨年末、神保町シアターで、小津監督の特集をやっていたので、23年ぶりに
見ました。涙が出ました・・・
私の老いた父は、アルツハイマーで痴呆が始まっています。
年老いた母は、そんな父を介護しながら生活しています。
そんな両親を思い出しました。

この山田洋次監督の「東京物語」のキャッチコピーは“これは、あなたの物語です”。
私は、45歳の男として、年老いた両親を持つ中年男としてみましたが、20歳台でも30歳台でももちろん、60歳以上の人でも、何かを感じる映画になっていました。

「そして、父になる」
タイトルがすごい意味を持っている。
親子でいながら、父になっていない人がいる。父になれていない人がいる。
いろんなことがあって、“そして、父になる”のだ。
ただ、普通の生活では、この映画のような“いろんなことが”ないから、
自分が父になっていないことに気がついていないのだ。

英題は、「LIKE FATHER、LIKE SON」
父のように・・・ 息子のように・・
実はどの父子もみな、LIKE FATHER、LIKE SON、なのかもしれないのだ。
血の繋がりではなく、父になるには、“何か”が必要なのだ。
父と子は、母と子と違って難しいよなあ。

「舟を編む」
松田龍平が、難しい役を素晴らしく演じていて魅き込まれました。
辞書を作るという、未知の世界をのぞく楽しみが詰まっていて、
映画を見る=世界が広がる、という楽しみを味わえるしみじみと良い映画だと思います。

さて5位から・・・

第5位 「凶悪」
監督;白石和弥  出演;山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキー

リリー・フランキーとピエール瀧、この両者が本気で怖い。スゴイ。
映画を見た後、原作のノンフィクションも読んだ。マスコミの執念だ。しかし、そのマスコミも凶悪さを持っている。メディア人は必見。でも、とにかく2013年最高の演技の、リリー・フランキーとピエール瀧を見るだけでも大いに価値ある映画だ。

第4位 「横道世之介」
監督;沖田修一  出演;高良健吾、吉高由里子

沖田監督は「キツツキと雨」とか、「南極料理人」とか、独特のゆったりとしたテンポで、
心地よく、その世界に誘ってくださるのですが、この「横道世之介」は、なかでも160分という尺を
使って、沖田ワールドに浸れます。
気分が落ち込んだとき、この映画を見ると、絶対に元気になれる!

さて 3位は・・・

「みなさん、さようなら」
監督;中村義洋      出演;濱田岳、倉科カナ

私は個人的に中村義洋監督のなかで、一番面白かった!!
濱田岳は、主演男優賞モノだと思います。
12歳〜30歳を一人で演じています。

もっともっと評価されるべき映画だと思う。

2位は・・・
「ペコロスの母に会いに行く」
監督;森崎 東 出演;岩松 了  赤木春恵

先にも書いたように、父が数年前からアルツハイマーになり、今年の正月に帰省した時には、
かなり症状が進んでいました。
私の4つ下の妹がわからなくなったり、(もちろん父にとっては実の娘です)、母(父にとっては妻)のことがわからなくなったり・・・・
 今更ながら、その事態の深刻さに気づき、私と父が、親子でいられる時間は、もうあまり残されていないんだということを改めて感じて・・・
 もっと早く父と時間を過ごせばよかった、父と話をすればよかった、父の話を聞くべきだった・・・

「ペコロスの母に会いに行く」は、これからの日本に、たくさんたくさん、本当にたくさんたくさん、
起こることだと思います。  私は映画館で見て・・・大泣きしました・・・・

そして1位は・・

「恋の渦」
監督;大根 仁  出演;新倉健太、若井尚子 ほか・・

「モテキ」の大根監督が、ポツドールの三浦大輔さんの舞台を映画化!!

この映画、有名な役者も出ていないし、低予算で4日で!!撮影したそうです。
もう、金がないからよい映画が作れないとかいえない。

大根監督は「モテキ」の後で、メジャー映画も撮れたはずなのに、あえて低予算映画。

それが面白すぎる!!
先日、ジブリの鈴木Pと映画談義をしていたときに、鈴木さんも
この「恋の渦」を絶賛していました。

絶対に見てみてください!!!!

勝手ばかり書いて失礼しました。
ではでは、また、いつか、お会いしましょう。


『菊野浩樹』の写真

菊野浩樹 プロフィール

1968年 5月14日 生まれ
1992年 TBS 入社
「アッコにおまかせ!」「ザ・フレッシュ」「筋肉番付」「ZONE」「世界陸上」「K1ダイナマイト」などを担当。

「バース・デイ」をはじめ、「プロ野球戦力外通告〜クビを宣告された男たち」「ラ イバル伝説…光と影」「プロ野球選手の妻たち」「SASUKE RISING」など、数々のス ポーツ特番やドキュメンタリー番組を手がける。

関連番組一覧

『バース・デイ』
毎週土曜午後5:00〜
『サワコの朝』
毎週土曜午前7:30〜