《女子 バンキシャ日記》
女子バンキシャ担当・宮前信人
- 5月12日(木)自分のバレー人生をかけて
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中国遠征後にギアチェンジした眞鍋ジャパンは、強豪オランダ、イタリアとの練習試合で相手を上回るセット数を奪い、順調な仕上がりを見せている。
その中で好調を維持しているのが、左のエース長岡望悠。
鞭がしなるようなフォームから繰り出したスパイクが何度も鋭く相手コートに突き刺さった。
トスさえ乱れなければ高いブロックも関係なく、ほぼ全て決まっているイメージだ。
それでも長岡の表情には微塵も慢心は感じられない。
開幕が迫った今の心境を聞くと「試合の一本一本の判断が、自分のバレー人生全てを含めた判断になるので、迷わずにやりきるだけです」とゆっくり静かに語った。
そんな彼女に練習後、眞鍋監督が「調子は?」と声をかけた。
すると少しはにかんだ笑顔で左手を斜め上に向けた長岡。
本来の彼女らしい素の笑顔が見られた気がした。
自身初めてのオリンピック出場へ、
バレー人生の全てをかけた長岡の左腕が唸りをあげるまで、あと2日。
女子バンキシャ担当・宮前信人