毎週日曜よる9時
すごく嬉しかったです。自分の作品が新しい形になるのは嬉しいし楽しいし、再発見の連続でした。
デコテロップも面白くてすごく良いですね。難しい言葉が出てきた時にポーンと入ってくるのでわかりやすいと思いますし、なにより面白い。特に、ビリビリの部分は、僕の周りでも評判が良いです。毎週必ず見させて頂いて、楽しませてもらっています。
全部が印象に残っています。強いて言うならば、櫻井くん演じる田村が熱く語るシーンは、いつもすごく気持ちがいいです。
田村とは正反対に性格がきつい住吉を、堀北さんという可愛らしい方が見事に演じて下さっているのにも、すごいなぁと思って見ています。
櫻井さんも堀北さんも、今まで演じてこられた役柄と印象がまったく違っていてプロはさすがだと思います。
大野事務所の面々は、漫画でも曲者揃いという事にしたのですが、実際の俳優さんたちも曲者揃いで (笑)、みなさん味わい深いですよね。僕の周りにも主人公以上に事務所のスタッフ達を楽しんで見ていますという人間もいるぐらいです。栄田が重森に叱られてそのまま田村を叩くという流れは、原作に一度もなかったので面白いですね。
毎回期待してしまうのが、田村と住吉がちょっといい感じになっていきそうなところですね。2人の関係がどうなっていくのか、楽しみです。
それから、原作者兼行政書士という立場から、法律的な言い回しや、住吉が相手に迫るときの表情・気迫などを見ているんですが、本当にプロみたいです。
弁護士さんたちと私たち行政書士は違いまして、行政書士は、なかなか正面からトラブルに向かい合うことが難しい職種なんです。弁護士さんほどトラブルを日常的な感覚で見ないんです。行政書士は訴訟を行うことができませんので、なるべく訴訟にならないようにしながら、相手を追いかけて、捕まえて、責任を取らせるという部分に気を配るんです。そういう弁護士さんとの微妙な温度差がちゃんと出るのかを気にしていたんですが、きちんと出ていて驚きました。堀北さん演じる住吉が、相手に迫りながらも、相手が怒ったらとぼけて話を変えて “なだめすかす” 姿は見事です。そのへんの心理戦は絶妙ですね。
そして櫻井くんは、機械的としか言いようがない 「 法律 」 ってやつにに少しでも血を通わせたい、という部分をしっかり演じてくれていて熱いものを感じます。僕も原作の世界で 「 法律 」 に少しでも血を通わせることができればと思って熱くなりながら書いています。
作品というのは子どもみたいなものですが、ドラマ化された 「 カバチ 」 はもう一人、子どもが増えたような気がしますよね。どちらが可愛いということはなくて、どちらも等しく可愛い。
新たな別の個性を持った子として育っていくわけですから、それは大事に思いますよ。出来れば漫画以上に面白くなってほしいですし、漫画とは別の個性を発揮してほしいです。
当たり前ですが 『 特上カバチ !! 』 の原作を一番素直に楽しめないのは作者である私なんですね。ですから、こうして原作にプラスα以上のものがたくさんあるとすごく面白いです。さらに原作とは別の個性を発揮してくれると、僕も一読者、一視聴者に戻って楽しむことができるので、期待しています。
原作で楽しんでいただいて、ドラマで楽しんでいただけると、2倍でなくて2乗で楽しいと思います。
原作をご覧になっていない方は、ドラマで楽しんでいただいてから、原作でも楽しんでいただけると3乗4乗で楽しいと思います。みなさん、是非ハマって下さい。