【戦評】
世界バレー1次ラウンド4日目、日本はプエルトリコと対戦。3‐0、3‐1で勝利すれば、1次リーグ2位以上が決まるという重要な一戦となった。
試合開始のプレーで、警戒していた相手のエース、K.オカシオにスパイクを決められると、そのまま3連続失点。ここで、眞鍋監督は早めのタイムアウトをコールする。これが仕切り直しのタイミングとなった。タイムアウト明けのプレーで木村がブロックアウトでチーム初得点を奪うと、1‐4から宮下のブロック、相手のミスなどで3連続得点して同点に。その後は拮抗した展開となるが、11‐12で復調の長岡望悠が連続得点。このまま4連続得点して、リードを作ると、その後は、サーブで崩し、プエルトリコに万全で攻撃させず(ブロックも、このセットだけで5本飛び出した)。25‐21で第1セットを奪った。
今大会、苦しんでいる第2セット、ローテを組み替えてきたプエルトリコも序盤からいいプレーを見せて、リードを奪い合う展開に。しかし、日本は6‐7から、相手のミスもあって3連続得点し、リード奪う。途中1点差に迫られたものの、このリードを保ったままセット終盤へ。21得点目をあげたあと、連続失点で21‐20と迫られ、タイムアウトを取る。その直後のプレーで、長岡がブロックアウトで得点。続いて新鍋、(江畑幸子に代わって途中交代の)石井優希、最後は宮下遥のサービスエースと4連続得点し、25‐20で第2セットも奪った。
第3セット、立ち上がりで木村のブロックアウト、そして石井のサーブから連続得点をあげてリズムを作ると、木村、長岡、石井の活躍で8‐5と先に8点目を奪う(テクニカルタイムアウト時、眞鍋監督は拍手で選手たちを出迎えた)。その後9‐5から、ヤリマールのサーブに崩されて4連続失点し、同点となるが、ここで石井が力強いアタック、苦しい体勢からのブロックアウトと連続得点して流れを断ち切る。その後5連続得点で相手を突き放すと、最後はこの試合でアタック決定率57%と高い数字をマークした長岡がライトからアタックを決めて25‐19。この試合のMVPと言うべきは、キャプテンの木村沙織。1日の休養が奏功したのか、動きにキレが見られ、チーム1位の19得点をマークした。これで3連勝。勝ち点を10に伸ばし、1次ラウンド2位以上を確定させた(これで2次ラウンドのスタートは、北部の都市トリエステからとなった)。明日は、プールD1位の座を賭けてアジアのライバル中国と戦う(※3-0、3-1で1位決定)。
眞鍋政義監督
「プエルトリコはアタックに高さ、パワーがあるチームなので、どうなるかなと思っていました。ここ数試合、ブロックがよくなかったため、今日は『気持ちを入れてやろう』と指示を出していたのですが、今日はかなりよかったと思います。また、今日の試合は、木村が特によかったですね。ほんとうに大事な一戦だったので、キャプテンが大活躍して引っ張ってくれたのはチームとして大きいです。全員の力で明日もベストを尽くします」
木村沙織主将
「個人的にもチームとしても、大会の雰囲気に慣れてきて、今日はストレスなくできたと思います。これまでの試合でバックアタックが多かったので、相手がそこをマークしていました。そのため、両サイドのブロックが1枚になることが多く、すごく楽な状態で打てたので、全部点数にできたらいいなと思っていました。明日の中国戦は一番大事な試合。受け身にならずに、自分たちがゲームを進めていくという勢いで、攻めていければいいなと思います」
石井優希
「(第2セット途中から江畑選手に代わって出場)個人的にすごく硬かったかです。トスが上がってきたボールは、強気で打とうという思いがすごくあったのですが、コースがちょっと乱れたり、2段トスになったときには、しっかり手に当たらずという場面がすごく多くかった。明日も頑張ります」