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バンキシャ日記/世界バレー2014 女子イタリア大会

2014年9月23日〜10月15日

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バンキシャ日記

9月5日 (金)

負けたくない

「自分のバレー人生で、ここまでコンビが合わなかった事もなかったし、自分がコートに立っていて良いのかって思った事も、正直ほんとに沢山ありました」
と話すのは、身長159cmのセッター中道瞳(28歳)。
世界で誰もやった事がない新戦術「ハイブリッド6」に翻弄され続けた今シーズン。
スパイカーも不慣れなポジションでのパフォーマンスが要求される中、複雑なコンビプレーを演出する司令塔への負担は、計り知れないものがある。
7月の欧州遠征から8月のワールドグランプリ前半。
新戦術を試す場とはいえ、今までではありえないコンビミスが相次いだ。
「簡単な道のりで世界一に絶対なれないですし、ロンドンのメダルを獲った時も、ホントに苦しい道のりだったので、それ以上の覚悟でやっていこうと思います」
苦しいチーム状況の中、それでも決して気持ちにぶれを見せない中道は敗戦後もしっかり前を見つめこう答えていた。

それでも世界バレー開幕まで3週間を切った今、その当時、眞鍋監督に何か言われたのか聞いてみると、さすがに言葉を詰まらせた。
『腹をくくれ、もう俺の心は決まっているから、後はお前次第だ』
この言葉に、実は不安に押し潰れそうだった中道は救われたという。
だが、いまだ正セッターは決まっていない。 世界バレーは20歳のセッター、宮下遥と二人三脚で世界一に挑む事になる。
「遥は私にないものを沢山持っているので、自分はそこで勝負はせずに、自分は自分の良さを出して。きっと私だけでは金メダルには届かないと思うので、でもコートに立つ以上は、私は遥にも負けたくないし、いい所をそれぞれが出せれば強いチームになると思います」
「負けたくない」その言葉に中道の想いが詰まっているように思われた。