ドリマ署橋本班 “ハシ”チョウ日記 シリーズ6

vol.11

2013年2月21日(木)

橋本です。
ハンチョウ6・第6話もご覧いただき、
ありがとうございました。
「今週も絶賛捜査中!」の動画コーナーで、
福士くんも言ってましたが、
殺人事件が起こらないストーリーだったので、
サスペンス好きの方にはどうかな……?
と少し不安もあったのですが、
おかげ様で多くの方に見ていただけたようで、
スタッフ一同、ホッとしています。
どうも、ありがとうございました。

先日、ある新聞社の論説委員の方から、
最近のテレビ番組についての取材を受けました。
色々なことを話したのですが、最後に、
「どうして、テレビ界の人はそんなに視聴率にこだわるのですか?」
と直球の質問をされました。
うーん……と、あらためて深く考えましたが、
「我々の仕事に対する、唯一の客観的な評価だから」
としか答えられませんでした。

私だって、
「視聴率はいいけど質が低い番組」よりも、
「視聴率は悪いけど質が高い番組」の方が存在価値がある、
と思っています。
しかし、今の日本のテレビ界には、
視聴率という「量」を測定する客観的な仕組みはあっても、
番組の「質」を測定する客観的な仕組みはありません。
ネットや口コミで、「あの番組は素晴らしい!」「面白い!」
と話題になる番組があったとしても、
公式の評価として「質が高い」と認定するシステムは存在しないのです。

もちろん、テレビ界にも様々な賞やコンテストがあり、
毎年、質の高い番組のいくつかは表彰されたりしています。
ただ、それが映画におけるアカデミー賞や、
小説における芥川賞・直木賞のように、
社会的な反響を巻き起こすほどの影響力があるのかというと、
残念ながら極めて限定的な働きしかしていない、
と言わざるを得ません。

そんなわけで、
我々テレビ番組の作り手にとって、
唯一の客観的な評価は「視聴率」という数字しかないのです。
実際、民放テレビ局という企業の業績は、
その局の視聴率の増減に正比例します。
年間の視聴率がアップした局は業績も上がり、
ダウンした局は業績が下がります。

いくら質の高い番組を作っていても、
視聴率が取れなかったら、
番組の制作費も出なくなってしまうというわけです。
私たちが自分たちの手で番組を作り続けていくためには、
視聴率を取り続けていくしかないのです。

そういう前提に立つと、
私たちが目指すべき道は、ただひとつです。
「視聴率もよくて、質も高い番組」
を作ること。
綺麗ごとに聞こえるかも知れませんが、
それしかありません。

テレビ番組を作っている人間が、
何千人、何万人いるのかわかりませんが、
番組作りに関わるすべての人間は、
「視聴率もよくて、質の高い番組」
を作ることを目標にしている、
と、私は思っています。
そう、信じている、と言ってもいい。

でも、ここで大きな問題が1つ浮上します。
視聴率という数字には、
「その時間にオンエアーを生で見ている人しかカウントされない」
ということです。

みなさんは「ハンチョウ」を、いつ、ご覧になっていますか?
もちろん、月曜夜8時にオンエアーを見ている、
という方が圧倒的に多いと思います。
しかし、その時間には帰宅していないから、
録画して、帰宅した後で見ている、
あるいは、じっくり見たいから週末に見ている、
という方も結構いるのではないでしょうか。

私もほとんどのドラマは録画して、
時間がある時にまとめて見ています。
でも、そういう視聴者は視聴率にはカウントされないのです。
NHK放送文化研究所の調査によれば、
昨年11月の時点で、
日常的にテレビ番組を録画再生して見ている人は、
40%にのぼるそうです。

乱暴な言い方をすれば、
同じ番組を100万人の視聴者が見たとしても、
オンエアーで見た60万人だけが視聴率にカウントされ、
録画して見た40万人は「その番組を見ていない」、
ということになっているわけです。

だから、今の日本の視聴率測定システムが変わらない限り、
「視聴率もよくて、質の高い番組」を作るためには、
「オンエアーで見てくれる視聴者」を、
最大限に獲得するしかないということになります。

長々と書いてきましたが、
何を言いたいかというと、
以上のような理由から、
「ハンチョウ」は、
なるべくオンエアーでご覧ください!
という制作者の心の叫びでした。

つまらないオチで申し訳ありません。
来週の第7話は、先日書いた地方ロケの回です。
風光明媚な伊豆の温泉街を、
ハンチョウと小池刑事が走り回ります。
伊豆東署の暴走気味な女性刑事も登場します。
そして、結城刑事も帰ってきます。

蔵之介さんが、前に、
「ハンチョウでは、いつもスキあらば、
 笑いを取ってやろう!と狙っています」
と言っていましたが、
今回はかなり随所で、笑いを取りにいってます。
その辺も楽しみにご覧いただければ、
と思います。

いつもとは、一味違う「ハンチョウ」第7話。
来週月曜よる8時からです。
ぜひ、オンエアーでご覧ください!

追伸
今野先生の安積班シリーズ最新刊、
「晩夏?東京湾臨海署安積班」(角川春樹事務所)
が発売になりました。
新設された東京湾臨海署を舞台に、
安積と速水の友情を描く最新作です。
ぜひ、読んでみてください。


追伸の追伸
業務連絡です。
本日、警視庁警備部より、
尾崎誠警部補を3月11日付で、
押上分署に復職させる、との連絡がありました。