インタビュー Interview 加瀬理人役 中川大志さん

Q. ここまで演じてきての感想をお願いします。

「普段ドラマを見ないけれど、このドラマは見てます」とか、そういう声をすごくいただくことがあって、嬉しかったですね。
今回原作を読まずに演じていて、毎回、台本をいただくのが楽しみな作品でした。“シャッタードン”とかキュンとするシーンは、台本を読んでいてもイチ視聴者として「キャー」と思っちゃいます(笑)。お芝居のことを考える段階では、僕が感じたように視聴者の皆さんに感じてほしいなと思って、少しでも具現化できるように意識しています。親近感が持てる世界観の作品なので、恋愛のドキドキ感だけではなく、「こういう瞬間ってあるよな」って共感できるような絶妙な空気感を大事にして演じました。

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Q.  “シャッタードン”は印象的でした。

あんなに反響をもらえるとは思ってなかったですね。壁って動かないけどシャッターは弾むので、手を押し込むと也映子さんと一緒にボヨンって弾んだのが初めての感覚でした(笑)。しかも理人が結構遠くから走ってきてそのままドンっとするので、ガシャーンと事故みたいな音がしていましたね。

Q. 演じていて大変だったところはありますか?

言語化できないことが詰まっている台本だったので、そこを表現するのが難しかったです。やってみて感じたのは、恋愛だけじゃなくて、友情、家族、仕事とか全部含めて人間の感情は説明できないことが多いんだなと。でも、その言語化できない感情を皆さんと共有したくて、どう表現するのか考えました。例えば第4話で理人が也映子と手をつないで歩くシーン。しばらく歩いて、何事もなかったように手を離して別れるのって、言葉では何と言ったらいいのか分からない。でも、あのときの2人から何か分かってもらえるものもあるシーンでもあって、僕はこのシーンがすごく好きなんです。理人はどういう感情だったのかすごく考えさせられました。
理人のキャラクターはピュアだと思っているんですが、無自覚に行動してしまうことが多いので、あざとく見えないように気を付けていました。行動に一貫性がないところもあるんですけど、金子文紀監督に「言語化できない感じとか、全部明確にしようとしなくていいんじゃないの。理人は若いから」という言葉で救われて。自分の中で答えを探している感じが理人なのかと思ったので、そのまま演じるようにしました。

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Q. 理人との共通点は?

役を演じるときは似たような経験や同じ気持ちになったことに焦点を当てて役を作っていくのですが、新しい台本をもらうたびに、共感できることが結構ありましたね。だから共通点はすごくあります。理人の思いの持ち方、動き方は今まで演じた役の中で一番似ているかもしれません。特に好きな人の前では自然体でいられなくなってしまう感じとか(笑)。ずっとその人のことを考えていたり、周りが何を言っても自分がこうと思ったら止められなかったりするところは、自分も昔あったなって思います。あとは占いを信じてしまうところも似ています(笑)。

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Q. まもなく最終回を迎えます。バイオリンの練習もしながらの撮影でしたが、ほかの作品と向き合い方は違いましたか?

楽器を演奏するのは、単純に技術を身に着けるだけでなく、楽器と向き合ってきた時間が存在するじゃないですか。僕は春からバイオリンを始めて、半年以上やってきて積み重ねてきた時間がある。それがドラマの中で、役に影響してくると思っていて。バイオリンを練習するのは楽しかったですし、役とバイオリンとともにちょっとずつ成長していけたのではないかと思います。

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