ぱっと見はかわいらしいけれど、ただかわいいと思えない不思議な女性です。原作を読んだときも感じたのですが、怖さを感じるものも内側に持っている。そしてかわいそうな女性でもあるんです。バイオリンで海外留学をしているときに手首がダメになって。でも、それまでは自分の夢も侑人との恋愛もうまくやろうとしたたかに生きてきていた。それが結果的に、侑人には何を考えているのかわからないと思われて、最後は婚約破棄されてしまった。器用すぎて逆に不器用な人なんじゃないかと思いました。
内面に抱えたものを出してしまうと、違う人物像になってしまいますし、怖い女性になりかねないので気を付けています。キラキラした女性らしさが眞於の魅力なので、そこは崩さないようにしたいなと。女子要素が強めな女性を演じるのは初めてなので、新鮮ですしすごく楽しいです。監督とは、“私、かわいいでしょう?”というキャラクターをわざとらしくてもいいから完全に作りこみましょう、と話しました。最初は違和感があったのですが、今は眞於がそうやって生きてきたんだと理解できているので、抵抗なく演じられています。
1話の冒頭で「G線上のアリア」を弾くシーンですね。その時は「G線上の~」をひたすら練習していたので、大変でしたけどすごく楽しかったです。ピアノを4、5歳から中学生ぐらいまで習っていたことはありますが、弦楽器は初めて。ピアノはここを押せばこの音が出るというのが明確だけれど、弦楽器は同じようにはいかないのでピアノとは違う難しさがあります。せっかく先生に教わって弾けるようになったので、今後も続けていきたいです。
お三方はクランクイン前からバイオリンを一緒に練習していて、素敵な関係性が出来上がっているのですごく楽しそうなんですよ。だから一緒にいると孤立しちゃうかなと思っていたのですが、仲良くしていただいて。学校みたいな雰囲気です。皆さんが実際に弾いている音が使われることがあるので、撮影の合間をぬって、本当にたくさん練習されているんです。私と同じようにバイオリンは初めてなのにすごいなって思います。
也映子さんの心の声が結構出てくるのですが、そこが大好きなんです。こういうこと心の中で確かに思ってるなって。女性の本音もありつつ、ちゃんと笑える要素もある。セリフではなくて心の声というのが面白いですよね。
このドラマは本当にごく普通の日々を描いているんですよね。実際の日常って何も起こらないようで、でも、一つの会話やあるシチュエーションで気持ちがガラっと変わることがある。そういう意味では、この作品は私たちの日常に近くて、見ている方たちと遠くない世界だと思うので、ドラマだからと身構えずに見ていただけたら嬉しいです。
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