也映子を演じる上で意識していたのは、ダメな部分をかわいらしく表現していくことです。最初、婚約破棄されて無職だったけれど、ちゃんとしすぎてあまり無職のダメっぽさが見えないと拒絶されてしまうと思っていたので。「ハマり役」とか「素でのびのび演じている感じがします」と言われるのはありがたいこと。でも、実は也映子と私は全然違う人物だと思います。也映子ってすごく元気じゃないですか。人のことも元気にしてあげられるしすごいなと。お酒を飲んでも也映子のような酔い方はしないですし、女々しくもなりません。私にないものをたくさん持っている女性なので、也映子がすごく羨ましく感じます(笑)。
そうですね。也映子のいいなと思うところは、自分のためには泣かない点ですね。しかも突然泣いたりするので、演じる側としては難しいです。泣くシーンは、かわいそうに見えないように気を付けたりと、かなり頭を使って大事に演じることを心掛けました。
ロマンチックなシーンほど、シュールな手法で撮影していることが多いですね(笑)。中川さんがカメラを私だと思ってドンしていたりするので、それを横で見ているのは面白かったです。中川さんは始め、“壁ドン”だと思っていたのに“シャッタードン”だったので、新鮮だったみたいです。
第5話の眼科でのシーンですよね。ドラマならではのシーンだと思いました。也映子からすると、自分と同じく婚約破棄された眞於先生の加害者として映っているんですけど、別に自分が侑人に何かをされたわけでもないし、責めることもできない複雑な関係性で。でも、いざ一緒の空間に入ると也映子にはやっぱりどこか許せないという気持ちが侑人にあって、拒否感が出たと思います。撮影の前に「也映子、普通にね。落ち着いていこう」と思って演じていたのですが、オンエアを見て、也映子の侑人への素っ気なさにびっくりしました(笑)
中川さんは、年が離れている私や松下さんとも自然に会話したり一緒にいられる方で。21歳なのに落ち着いていてお芝居も上手なので、若いのにすごいなと思います。
松下さんはすごい女優さんだなと序盤から感じていました。お芝居に説得力や存在感があり、グっとくるシーンでは胸に刺さるお芝居をされるし、コミカルなお芝居も笑いのツボに入ってくるし、全部のお芝居が的確で圧倒されました。ご本人はとてもやさしくて、明るく現場を和ませてくださるので、中川さんと私は助けられています。
今は、撮影の合間に3人でよくお話をしますが、実は第8話の“3コン”あたりまでは、みんな会っても必死にバイオリンの練習をしていました。実は、也映子が新しい弓を買ったタイミングで、私の弓も新しくなり、演奏してみたらやっぱりちょっといい音が出て。中川さんにちょっと使ってみたいと言われたので貸したら、「やっぱり違う、いい!」と言われて、盛り上がりました。
原作以上に物語が膨らんでいったことにすごくびっくりしている作品です。会話劇が面白くて、也映子と理人と幸恵さんの関係をドラマならではの関係に膨らませることができているし、眞於先生との関係も原作以上に掘り下げられています。最後まで也映子と理人、幸恵さんの関係がどうなっていくのか楽しみにしてください。
Copyright© 1995-2024, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.