美肌LESSON

Vol.8
美肌のために『効果的な運動』

「生理前は決まっていつも肌荒れをするのでイヤ」。美容皮膚科にはこのようなお悩みをお持ちの女性が多く来院されます。生理前というのはホルモンの影響で心身ともに様々な変化を引き起こし、肌荒れを引き起こす要素が出現しやすくなります。
「生理前に肌が荒れる要因はこれ!」と単純に決めつけることは難しく、原因も人それぞれです。生理に関連していつも肌荒れを起こしがちな方は、これから挙げていく項目の中で自分に心当たりのあるものには気を付けてみてください。

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生理前の肌荒れ要因(1) 皮脂の分泌が多くなりやすい』
生理前は黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用により皮脂の分泌が多くなりやすくなります。通常の皮脂分泌量では皮膚のトラブルを起こしていない方が、分泌量の多いこの時期だけに毛穴の詰まりを起こしやすくなり、「ニキビ」や「皮脂が原因となる湿疹」などを起こすことがあります。生理に関連して決まって肌荒れを起こす自覚のある方は、生理前1週間程度の皮脂の分泌量の多い時期には、通常よりもしっかりめのケアを心がける必要があるかもしれません。

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生理前の肌荒れ要因(2) 睡眠が浅くなりやすい
生理前後に日中の眠気を感じる方が多いことが報告されています。ある調査では生理前あるいは生理とともに「日中の眠気が増す」と答えた人が93%にものぼっていて、「月経関連過眠症」という言葉も存在します。これはこの時期の睡眠が浅くなり、睡眠の質が悪くなりやすいことに起因しています。生理前に分泌が多くなる黄体ホルモンは体温を上昇させる働きがあり、基礎体温の高温期を作り出します。深い眠りには体温が低下する必要がありますが、ホルモンによる生理前の高温期にはこの体温低下が不十分になるために眠りの質が悪くなるのではないかと言われています。  以前のコラムでお話ししたように、美肌維持に睡眠の質はとても重要です。心当たりの方は生理前のこの時期は特に「睡眠の質」を意識する必要がありそうです。(美肌LessonVol.1 バックナンバー参照

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生理前の肌荒れ要因(3) 便秘になりやすい
黄体ホルモンは腸の動きを弱くして、便秘を引き起こしやすくします。生理前に決まって便秘になりやすい方は対策をする必要があります。特に生理前1週間は普段よりも食物繊維を多く取り入れた食事を心がけ、適度な運動も心がけましょう。

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生理前の肌荒れ要因(4) 過食になりやすい
生理前に食欲が増えて困っている女性は珍しくありません。これは黄体ホルモンには、食欲を増進させる働きもあるためです。普段は規則正しいバランスの取れた食事をとっている方でも、意識しないと生理前には食事のバランスが乱れて過食になることもあります。心当たりのある方はこの時期には注意する必要があります。

産婦人科の医師は生理前の女性に対して『ちゃんと睡眠をとって、食事にも気を付けてね』と口を酸っぱくして言うといいます。逆に言えば、生理前に睡眠の質が悪くなったり、過食や食事のバランスが崩れている人がいかに多いかということですね。

医療監修・橋本 聡
東京・広尾の美容皮膚科『スキンリファインクリニック広尾』院長。
専門は美容皮膚科、皮膚科、美容外科。日本美容外科学会認定、美容外科専門医。
日本医科大学卒業後、日本医科大学形成外科助教を経て、平成26年にスキンリファインクリニック広尾を開業。

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