美肌LESSON

Vol.1
美肌のための『質の良い睡眠』

睡眠時間が足りなかった時や就寝時間が不規則な時などに、化粧ノリが悪くなったりニキビができたりといった肌のトラブルを経験したことがある方も多いと思います。睡眠は体や脳を休めるばかりではなく、お肌にとってリフレッシュのための大切な時間。質の良い睡眠は美肌を維持するのに重要な役割を果たしています。

人間の皮膚の表面(表皮)は絶えず新しいものに入れ替わっています。表皮の深い部分にある基底層という部分で新たな細胞が生まれて、どんどんと表層の角質層に押し上げられていきます。新たな細胞が生まれてから約1ヶ月後に垢となって剥がれ落ちるこの皮膚の生まれ変わりのサイクルを「ターンオーバー」と呼んでいます。

美容皮膚科ではこの『ターンオーバー』をとても重要視します。ターンオーバーが遅れることにより様々な症状が出現するためです。まず、角質に厚みを生じ肌のキメが荒くなり、ゴワつきを感じて化粧ノリが悪くなります。そして、余分なメラニン色素(シミの成分)の排出が滞るため、全体のくすみを生じてシミも濃くなります。さらには皮脂腺のつまりを起こしてニキビを引き起こします。

そんな皮膚のターンオーバーにおいて重要な役割の一つを担っているのが、脳から分泌される『成長ホルモン』です。この成長ホルモンがターンオーバーをより活発にしてくれています。成長ホルモンは睡眠中には深い眠り(ノンレム睡眠)の際に大量に放出されますので、美肌のためには睡眠の量だけではなく、質も重視したいところです。睡眠中に成長ホルモンをたくさん出すために、今日からでも心がけることができることを挙げてみます。

(写真)
夜は部屋を明るくしすぎない
明るい光は眠気を感じるために必要なメラトニンの分泌を妨げてしまいます
寝る直前にテレビや携帯電話のモニターを見ない
特に青い光の波長はメラトニンの分泌を強く抑えてしまいます。
寝酒をしない
寝付きは良くなりますが、眠りは浅くなってしまいます。
寝る前はカフェインやニコチンをとらない
寝る4~5時間前は控えた方がよいでしょう。
朝は同じ時刻に起きて光を浴びる
体内時計をしっかりとリセットすることで、その夜の睡眠の質がよくなります。

医療監修・橋本 聡
東京・広尾の美容皮膚科『スキンリファインクリニック広尾』院長。
専門は美容皮膚科、皮膚科、美容外科。日本美容外科学会認定、美容外科専門医。
日本医科大学卒業後、日本医科大学形成外科助教を経て、平成26年にスキンリファインクリニック広尾を開業。

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