テレビ観察プロジェクト









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 ここで12月8日⑥、プロジェクトをスタートした時の問い掛け「テレビって何だろう?」を整理しておきます。
 この日、子どもたち全員に1枚の紙が配られました。
代表的な意見は「1日の出来事を知らせるもの」「家族と見たり友だちと見たりして、笑うことができるもの」「外の出来事を知らせてくれて、かつ楽しいもの」などです。
 そして、こんな戸惑いを記す子どもも目立ちました。
『「テレビって何」の質問にこまった。その反面びっくりもした。だってテレビをいつも(?)みてる私でも分からないし、そんな事、考えたこともできなかった。でもみんなもなやんでいる事にまたびっくり!』
『この授業があるまでは、「テレビ」の事に興味なかったし、調べようとも思わなかった。けど、今日、授業をうけて、テレビのことをいろいろ調べてみる気になってきた。』
『いつも、私はテレビをふつうみているけど、もっと、テレビに興味をもって、ドラマとかを見ようと思いました。』

 そうなんですネ! 人によっては家族以上に近い存在なのに“テレビを”考えたことが無かった!! 日本人は平日の平均で1日に3時間25分もテレビを見ている“テレビ大好き人間”のはずなのに。

 ここでマスメディアと日本人の関わり合いを、先頃まとまった2000年国民生活時間調査(平成13年2月NHK放送文化研究所)で見てみましょう。
この調査は5年に1回のもので、1995年の平日3時間19分が6分増えて3時間25分に、日曜日は10分増えて4時間13分となり、テレビ視聴時間は平日と日曜日で過去最高を記録しました。

別のデータを見てみましょう。民間の調査機関・ビデオリサーチによると、1999年平日で3時間52分、土曜日4時間14分、日曜日4時間36分と、前年より数分減ったものの、インターネット利用者急増による変化は見られませんでした。
 又、1日1世帯当たりのテレビ視聴時間は、関東地区で平日7時間57分、土曜日8時間25分、日曜日8時間51分となっています。 (情報メディア白書2001 電通総研編)
 これは並の数字ではありません。仲の良い夫婦以上の触れ合いです。では、他のマスメディアは? NHK調査に戻りますと、国民平均、平日のラジオ聴取時間は21分、土曜21分、日曜18分。新聞は平日23分、土曜23分、日曜21分。雑誌・マンガは平日7分、土曜8分、日曜9分。本は平日9分、土曜9分、日曜10分となっています。
  このデータを見て、あらためてテレビの世界に身を置くことの重さ、責任を自覚させられます。最近でこそ“メディアリテラシー”をテーマとする本が一般書店に並ぶようになりましたが、その研究の中核にテレビを置くこと、いやテレビを語らずして“メディアリテラシー”は存在しないと、これらデータは教えてくれます。どうぞテレビに無関心を決め込んだり、無視したり、あるいは排除したりせずに、家族の一員として、そのあり様、あり方に心して下さい。
  取材チームにも配られた「テレビって何だろう?」、私は願望を込めてこう記しました。
「テレビは創るもの。世界と私達をつなぐもの。人類の歴史・未来を含め、テレビはそうありたい」
                          TBS 大野 照夫