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特別展 インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン

全国巡回中!2009年7月14日〜2011年5月22日

展示構成


第2部 シカン文化の世界−インカ帝国の源流

<人々の生活>

ペルー国立シカン博物館蔵
11世紀 撮影:義井 豊

《さかな象形土器》
国立ブリューニング博物館蔵
11世紀 撮影:義井 豊

シカンの人々は土器に生活のさまざまな場面を彫刻したので、後世のわれわれも彼らの生活の一端を見ることができる。土器には彼らの主食のトウモロコシなどの食料や動物、人物が彫刻されていて、自然と一体であったシカン人の生活がみてとれる。


<社会構造>

《エリートの人が使用したと
思われる金製胸飾り》
国立考古学人類学歴史学博物館蔵
11世紀 撮影:義井 豊

《太鼓をたたく
タヤン人象形土器》
ペルー国立シカン博物館蔵
11世紀 撮影:義井 豊

埋葬のデータを調べるとシカンは支配者層と庶民が階層としてはっきり別れている階級社会であった。また墓に副葬された土器にはシカンだけではなく、前の時代のモチェの技術を継承した土器、シカンから見ると北のタヤン人の風俗と思われる外見を持つ人物が、彫刻された土器などがあり、さまざまな民族を含んだ多様な社会を形成していたことがわかっている。これらのことは、PASが30年にわたって支配者層から庶民までの多数の墓を発掘したことでわかった。


<自然環境>

《カエル象形土器》
国立ブリューニング博物館蔵
11世紀 撮影:義井 豊

ペルー北海岸は高温で雨が少ない環境にある。アンデス山脈の雨期の水を運ぶレチェ川などの比較的水量が豊かな川が流れていたとはいえ、人々は水を求め、水が底をつくことを怖れた。シカン人はさまざまな動植物を土器にかたどって残したが、水にかかわりのある動物の土器が多いのはそのためである。ここではシカンの自然環境と、彼らがどのように自然と共存するために暮らしていたかを見る。


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