―ドラマが決まったときの感想を教えてください。
宮部みゆきさんの作品だと伺い、とても面白そうなお話で素直に嬉しかったですね。
―第1部(1〜5話)と第2部(6〜11話)で作りが変わることについてはいかがですか?
連続ドラマは見逃してしまうこともあると思うのですが、途中で仕切り直してみることもでるので、面白いなと思いました。私は第2部からの参加でしたが、第1部でスタッフさんたちのチームワークが出来上がっていたので、安心して現場に入っていけましたね。もちろん緊張感はあるんですけれど、とても演技がしやすいです。
―原田いずみを演じてみていかがですか?
普段、生活をしていて不満を抱えることがあると思うんですけれど、それを表に出さないでいくことが社会のルールだと思います。ですが、原田いずみはそうではなくて、すぐ表に出してしまう。それが原田を演じることによって発散できる部分もあるので、少し楽しかったりします(笑)。
―原田とご自身で似ている部分はありますか?
彼女の気持ちが全て分からない、ということでもないんですよね。普段は表には出さないですけれど、誰かにかまってもらえると嬉しい気持ちは誰にでもあると思います。ただ、彼女の気持ちは分かる部分があっても、さすがに行動までは理解は出来ないです。
―原田を演じる上で気をつけていることはありますか?
見た目は毒を持っている人間に見えないようにしています。衣装合わせの時に監督やプロデューサーから言われたことでもあるんですけれど、洋服にも気を遣って、一見したらちゃんとした普通の女性に見えるように意識しています。
―主演の小泉孝太郎さんの印象を教えてください。
とても優しくて素敵な方で、まさに杉村三郎役がはまり役だなと感じます。
―これまでの撮影の中で印象に残っていることはありますか?
第6話で、室井滋さん演じる園田編集長ともみ合うシーンです。原田が園田編集長をなぎ倒すというお芝居があったのですが、室井さんの力がすごくて、ちょっと負けそうになりました(笑)。それと、セロファンテープ台を園田編集長に投げつけるお芝居では、小さいカメラに目がけて投げていたんですけれど、40回くらい投げても全然当たらなくて…。そしたら、室井さんが現場にやってきて「気合入れて!」って言ってくださって、その後に投げたらすぐにうまくいきました(笑)。
―ご自身で「心に毒を持っている」と思うことはありますか?
疲れているときに街中に出ると感じますね。人を見ていると嫌になったり、普段思わないようなことを思ったりして、疲れているときの自分はすごく怖いです。
―視聴者の方にメッセージをお願いいたします。
この作品はただのミステリーではなく、登場人物それぞれが抱えているものがとても丁寧に描かれているので、そこが見どころだと思います。そして、私が演じる原田にしても、「なぜこんな風になってしまったのか?」ということが、徐々に明らかになってきますので、注目して観ていただけたらと思います。