―ドラマが決まったときの感想を教えてください。
宮部みゆきさんの作品とサスペンスが大好きなのですごく嬉しかったです。原作も読ませていただきましたが、心情的な描写がとても面白い作品でした。ただ、初めて菜穂子を演じると聞いたときはすごくプレッシャーを感じましたが、楽しみながら撮影ができたらなとも思いました。
―ご自身が演じられる、菜穂子について教えてください。
小泉孝太郎さん演じる杉村三郎の妻なのですが、直接は事件とはかかわりがなく、第三者の目線から物事を言うんですけれど、すごく難しい役ですね。菜穂子がさらっと言った言葉が杉村にとっては大ヒントになることもあるのですが、私は言葉の意味を分かった上でさらっとセリフを言わなければならないので、そのあたりを気をつけています。また、天然っぽい部分もあるので、そこを大事にしていきたいのと、つい体が弱いということを忘れがちなので(笑)、か弱い感じも出して行きたいと思います。
―菜穂子を演じる上で気をつけていることはありますか?
タイトルが『名もなき毒』ということで、登場人物の心の中の毒が少しずつ描かれていくのですが、「菜穂子の毒は何だろう?」と常に考えています。これまでは菜穂子の“毒”は出てきていないですけど、監督いわく「ドラマで描けるかわからないけど、菜穂子さんは相当な毒を持っています」と言われたので、それを考えることが菜穂子を演じる上での課題かなと思っています。
―共演者のみなさんの印象を教えてください。
小泉さんは以前にも一緒にお仕事をさせていただいたことがありますが、とにかくさわやかな真摯な方で、杉村役にすごく合っていると思います。桃子役の矢崎由紗ちゃんも実は競演するのは2回目なんですけど、以前より体も大きくなって、演技もびっくりするぐらい上手になっていて…。小さいながらにどう演技をしたら良いのか一生懸命考えていますし、家族のシーンでは本当に癒されています。
―これまでの撮影の中で印象に残っていることはありますか?
菜穂子が車を運転するシーンがあって、私は普段も運転するんですけど、お芝居で乗った車に慣れなくて…。スタッフさんに車について何度も説明を聞いたんですけど、なかなか覚えられず、道順も「まっすぐでしたっけ?右折でしたっけ?」と何回も聞いていたら、隣に座っていた小泉さんが「教習所の教官になった気分で不安だよ〜」とびくびくしていたのが印象的でした(笑)。
―視聴者の方へメッセージをお願いいたします。
菜穂子の一言によって、杉村が「そうかもしれない!」と気が付くシーンがいくつかあるので、そちらを注目していただきたいのと、展開がすごく速くて濃厚なので、とても見ごたえのある作品です。一人ひとりの登場人物の心情的な部分も細かく描かれていて、共感できる部分もありますし、これは私個人の希望ですけれども、今後、菜穂子も事件にかかわることができたら良いなと思っています。