―ドラマが決まったときの感想を教えてください。
宮部みゆきさんの大ファンだったので、嬉しかった半面、プレッシャーも感じました。原作はもともと読んでいたので、梨子役だと分かったときは「どうしよう…」と思いましたが、撮影に入るのが楽しみでもありました。
―梨子を演じてみていかがですか?
姉である聡美とは対照的に明るい性格なので、表情を豊かにすることを意識しています。そうすることによって、梨子の本音が見えないところや、何を考えているのかわからないという部分を出せたらと思っています。また、私にも姉がいるので、父と姉が仲良くしていると嫉妬をしてしまうという部分はすごく共感できました。
―梨子を演じる上で気をつけていることはありますか?
父である信夫の本を作ろうとするなど、すごいことをやっているのですが、実はピュアな部分もあるんです。そういった部分は台本には書かれていないので、よく考えて演技をしています。
―共演者のみなさんの印象を教えてください。
小泉孝太郎さんはさわやかで気さくな方で、シリアスなシーンで一緒になっても笑顔で話しかけてくださって、本当に気持ちの良い方です。それと、暑いロケでの撮影の時に「気合で汗を止められる」っておっしゃっていました(笑)。どうやったら止められるのか、今度ご一緒したときに聞いてみたいと思います。深田恭子さんは、とても好きな先輩だったのでクランクインの時から緊張していたんですけれど、とてもやさしく接してくださいました。梨子は劇中で3回ネイルを変えたんですけれど、そのたびに気付いてくださいましたし、梨子の衣装についても「今日の衣装可愛かったね」って言ってくださったりして。私は現場でいっぱいいっぱいになってしまうのですが、やさしいお姉さんという雰囲気で気さくに接してくださり、本当に嬉しいです。
―これまでの撮影の中で印象に残っていることはありますか?
第1話の最後で杉村と聡美と梨子が3人で話をするシーンで、梨子が「犯人に言ってやりたい」とヒートアップして言うところですね。すごくセリフのボリュームがあって、最初の顔合わせの時に隣の席だった深田さんと「このシーン大変そうだけど、頑張ろうね」って話をしていたのでとても印象に残っています。セットインした日がちょうどそのシーンの撮影だったので、かなり緊張したんですけれど、無事に撮り終えることができて、振り返ってみるといいスタートが切れたと思います。
―ご自身で「心に毒を持っている」と思うことはありますか?
3歳年下の弟がいるんですけど、本当に良い子で「車で送ってほしい」「あれ買ってきておいて」など、私の言うことを聞いてくれるんです。それをいいことにいろんなことをお願いしているので、「悪いな」と思いますし、きっと弟も毒を感じていると思います(笑)。
―視聴者の方へメッセージをお願いいたします。
“梶田信夫をひき逃げした犯人は誰か?”という犯人探しから、姉妹や家族の話になっていくのがこの物語の面白いところだと思います。最初から聡美と梨子の姉妹は変な距離感だったので、「何かあるな」と想像しながらご覧いただいていると思いますが、それがだんだん明らかになっていって、2人の毒が出始めてくるのが見どころです。梨子は誰に対してもニコニコしていていい子という感じですけれど、実は何を考えているかわからないところもありますので、そういった部分に注目してもらえたらと思います。