あらすじ:
/水戸(2007年4月9日放送)
西山荘で晴耕雨読の日々を送っていた水戸老公(里見浩太朗)の元に、刺客に襲われ瀕死の重傷を負った侍・井沢平内(横島昭)が担ぎ込まれる。刺客は井沢を狙って西山荘をも襲撃するが、助三郎(原田龍二)、格之進(合田雅吏)、お娟(由美かおる)、鬼若(照英)、アキ(斉藤晶)に反撃され、退散する。
井沢は老公に、将軍・綱吉(堤大二郎)に御落胤がいると、天下を揺るがす重大な言葉を残して息を引き取った。
老公は早速綱吉(堤大二郎)に会い、事態を治めるために、騒動の中心・館林へと旅立つ。館林では、御落胤だと名乗る吉之助(市瀬秀和)をはじめ浪人たちが徒党を組み、よからぬ企てを進めていた。浪人を束ねる大浦弾正(栗塚旭)は、土地の代官・浅井新兵衛(風間トオル)に吉之助を綱吉に接見させるよう、強引に迫る。
浅井は吉之助の出生に疑問をもっており、自分が得心するまではそれはできないと、はねつけた。大浦たちは浅井の娘をさらい、浅井と妻の槙(渡辺梓)を脅迫する。
館林に着いて吉之助の言動を見極めた老公は、吉之助は御落胤ではないと確信する。吉之助と大浦たちは、かつて綱吉に取り潰された越後高田藩の残党。彼らは綱吉への恨みを晴らし、幕府を転覆させようと企んでいたのである。
老公は吉之助と大浦を捕らえて成敗し、その仲間が不穏な動きを見せる越後高田へと向かうのであった。
『赤城の山はカカア天下』/前橋(2007年4月16日放送)
水戸老公(里見浩太朗)一行は前橋へ。一行は名主の夫婦、喜作(左とん平)とお茂(赤木春恵)と知り合った。しっかり者のお茂は、土地の女たちをまとめて絹の生産を盛んにした。人はいいが失敗続きの喜作は、三年前にお茂に追い出され、久し振りに舞い戻ってきたところだ。
ところで、絹はこれまで生糸問屋の大垣屋(中村方隆)が一手に商っていたが、お茂は大垣屋に安く買い叩かれていたことに気付き、最近取引先を替えた。しかしそのため大垣屋の息のかかった虎蔵(若尾正隆)とその子分の嫌がらせが激しくなり、お茂たちは困り果てていた。絹を運ぶ女たちをごろつきが襲うが、助さん(原田龍二)と格さん(合田雅吏)が蹴散らした。
喜作はお茂の難儀を知って大垣屋に抗議に出かけるが、喜作の無用心な言葉が元で老公とお茂は牢獄に捕らえられてしまう。大垣屋と家老の白沼甚兵衛(近藤洋介)が手を結び、絹を独占して私腹を肥やそうとしていたのである。
ちょうどその頃、国もとに戻ってきた殿様の御前で、八木節の歌くらべが行われることになった。のど自慢の喜作も出場し、節に合わせて家老の悪事を暴き、お茂を助けてくれるよう殿様に訴えるのだが…
『亭主参った嫁姑対決』/松井田(2007年4月23日放送)
水戸老公(里見浩太朗)一行は松井田へ。一行は代官所の役人、田代恭三郎(西川忠志)とその母、うの(中尾ミエ)と嫁の由紀(濱田万葉)と知り合った。恭三郎は役目には熱心だが、気が弱い。うのと由紀は何かと張り合い、しばしば言い争う二人に恭三郎は心を悩ませている。とはいうものの、恭三郎のためを思うあまりに意見が食い違う母と嫁を、老公は微笑ましく思った。
ところで、松井田では市が立ち、絹の取り引きが盛んなことで有名なのだが、このところ品物が流通せず、町には活気がない。不安を訴える商人たちの声を聞き、恭三郎は代官の工藤帯刀(エド山口)に相談するが、工藤は自分に任せておけと繰り返すばかりで、動こうともしなかった。
恭三郎が調査に乗り出したところ、物産問屋の五島屋宗兵衛(出元光)が品物を独占し、市を乗っ取ろうとしていることが判明した。工藤と家老の国井掃部(磯部勉)がその悪巧みに加担し、甘い汁を吸っていることも分った。
町の人々を救うため、代官と国家老を相手に一人で立ち向かう恭三郎。恭三郎は老公の助言を得て町の人々と協力し、悪巧みを潰そうとする。悪者一味はうのと由紀を誘拐して恭三郎に揺さぶりをかける。
囚われの身となったうのと由紀だったが、お互いが恭三郎を心底愛していることを知り、初めて心を通わせる。二人を救出に向かう恭三郎だが、多勢に無勢。悪者たちに取り囲まれてしまう…
『頑固一徹職人魂』/松本(2007年4月30日放送)
水戸老公(里見浩太朗)一行は松本へ。老公は当地の名産である指物を商う問屋の女主人、おくに(仁科亜季子)と知り合った。
おくにの店は藩御用達で、現在も将軍様に献上する品物を製作中だ。おくには夫、芳五郎(黒川英二)の死後、職人の徳松(薗田正美)と息子の友太郎(山内秀一)と共に、懸命に店を切り盛りしてきた。
ところが、物産問屋の北村屋(入川保則)が、おくにの店に目を付けた。国家老の細田采女正(中山仁)に取り入って、品物を独占しようと企んだのである。北村屋の息のかかったやくざ者、金駒の伝八(大川ひろし)に襲われ、徳松が負傷する。徳松なくしては献上品を仕上げることができない。細田はおくにに無理な納期を押し付ける。
おくにの危機!
だがただ一人、おくにを救い、献上品を仕上げることのできる人物がいる。おくにの父親で、かつて名人とうたわれた友造(中野誠也)である。しかし、友造とおくには、深い事情があって絶縁状態にあった。その上、友造は数年前に指物師を辞めて、今は居酒屋の親父に納まっている。
指物師の意地を守るため、おくには友造に頭を下げるが、友造は首を縦には振らない。実はお互いのことを思いながらも、心を通わせることができない頑固な父と娘。老公が二人の気持ちを結ぶのだが…
『陰謀砕いた美人姫』/越後高田(2007年5月7日放送)
水戸老公(里見浩太朗)一行は、越後高田に入った。越後高田では将軍に藩を取り潰され、土地を失った侍たちが、郷士となって新田を開発し、新しい暮しを築こうと農作業に汗を流していた。
越後高田の藩主は、郷士たちの自立を支援するため年貢を軽くしていたが、国家老の萩山壱岐(林与一)は、厳しく年貢を取り立て、私腹を肥やしていた。不満を募らせた郷士たちには、和姫(黒川智花)が近く江戸から国元へ戻ることを知り、姫に萩山の悪事を訴えようと企てている。
郷士の頭目、速水軍兵衛(石丸謙二郎)は、力ずくで姫をさらおうとするが、正義感の強い、関本又七郎(宮下直紀)は、話し合いで解決する方策を探る。
峠に差し掛かった和姫の行列を、郷士の一団が襲う。そこへ老公一行が通りかかり、助三郎(原田龍二)、格之進(合田雅吏)が姫を救う。乱闘の末、老公と和姫はたった二人で逃げ延びた。
老公は利発な和姫が郷士たちの苦しみに心を痛めていることを知る。和姫は父である藩主の密命を受け、郷士騒動を調べるため国元に赴いたのである。一旦は城へ戻った和姫だが、城に押し寄せた郷士の軍勢に捕らえられてしまう。
和姫に悪事のからくりを知られた家老の萩山は、郷士たちもろとも和姫と老公一行も始末しようとするが…