あらすじ:
黄門さま(佐野浅夫)一行は八戸へ。一行が街に近付くと、お銀(由美かおる)が松太郎(塩賀純平)という少年に母親になって欲しいと声をかけられ、一行は驚いた。
詳しい事情を聞こうと、黄門さまは松太郎の父、柳井伸之介(島英臣)を訪ねる。伸之介は浪人もので名物の八幡馬という玩具を作って暮らしている。
伸之介は大店の三沢屋荘兵衛(山田吾一)から娘のお由紀(古柴香織)の婿になって欲しいと頼まれている。伸之介は一回り以上も歳が違うお由紀との縁談を断ってきたのだが、荘兵衛が熱心で困っているという。
そのためしばらくお銀に仮の妻になって欲しいと、伸之介も頭を下げる。他にも事情がありそうだと感じ、黄門さまはこの話を引き受ける。荘兵衛は残念そうな顔をするが、致し方ないとあきらめ、自分たちが仲人になるからと、伸之介とお銀に仮祝言まで上げさせる。助さん(あおい輝彦)は事の成り行きに気をもんでいる。
さて、荘兵衛の元に浪人ものを探しているという男が訪ねてくる。荘兵衛は浪人の素性が、伸之介に似ていることに気付く。
伸之介はある藩の勘定吟味役だったが、重役の不正を発見したために刺客に狙われる身になった。お由紀との縁談を断ったのもこのためだ。伸之介の居所を知った刺客たちは、伸之介のロを封じようとするが…。
黄門さま(佐野浅夫)一行は青森へ着いた。街道の茶店で津軽飴が名物たと聞き、八兵衛(高橋元太郎)は喜んだ。しかし、津軽屋(新克利)と田代屋(伊藤孝雄)という二軒の飴屋がたいへん仲が悪いとも知らされ、どちらの飴を食べようかと思案顔の八兵衛だった。
一行は街の外れで、お忍び姿の町奉行、黒川武太夫(宮路オサム)が美しい町娘、さえ(真野静)に乱暴をしようとするところに出くわして、さえを救った。
さえは津軽屋の一人娘だった。黄門さまは噂とは違い、津軽屋と田代屋がたいへん仲の良いことを知って、微笑ましく思った。
さえと田代屋の一人息子、新太郎(伊庭剛)は夫婦になることが決まっており、両家はお互いに刺激しあって、新しい飴の工夫をするなど、発展的な関係を続けている。
だが、この二軒の飴屋を独り占めしようとする悪者が現れた。物産問屋の三崎屋儀兵衛(重久剛一)はやくざの為五郎(笹木俊志)を使い、二軒に嫌がらせを仕掛ける。三崎屋には黒川が付いていた。三崎屋の罠にはまり、津軽屋と田代屋は仲違いを始める。
そうなると、つらい思いをするのは新太郎とさえだ。黄門さまは若い二人を使い、父親たちを仲直りさせようとするが…。
黄門さま(佐野浅夫)一行は黒石の領内に入った。一行は、役人が村人たちから手荒く年貢を取り立てているところに出くわした。その時、馬に乗った紫頭巾の侍が現われ、役人たちを蹴散らして去った。颯爽としたその姿を驚いて見送る黄門さまだった。
紫頭巾は、実は大垣兵衛門(坂本長利)と一緒に暮らす娘の咲(高嶺ふぶき)だった。咲は兵衛門に鍛えられ、かなりの腕前になっていたが、女らしいしとやかさがなく、近所の禅小尼(水野久美)もあきれ顔で眺めている。
さて、兵衛門は咲に、江戸からお忍びで領内に入った若君、津軽晴義(水野純一)を警護するよう命じる。だが、一足遅く、晴義は黒山又兵衛(福本清三)率いる一段に襲われ、深手を負ってしまう。
咲は禅小尼から咲と晴義が双子の兄妹で、禅小尼が二人の実の母だと出生の秘密をあかされ、驚くのだった。
領内では留守家老の岩木権太夫(山下洵一郎)が殿様が病に伏せていることをいいことに、自分の子を世継ぎにしようと悪巧みを仕組んでいたのである。晴義がじゃまになる岩木は、黒山に命じその命を狙ったのだ。
禅小尼と咲の手厚い看護の甲斐あって、晴義は回復する。岩木の企みを知った晴義は単身城に乗り込むが…。
黄門さま(佐野浅夫)一行は大館に着いた。一行は宿泊する矢立ての湯の宿で、熱心に観音様を信仰する少女、おきみ(鈴木真優香)に出会う。
おきみは三年前、観音様の前で行き倒れになっていたところ、宿の女中、お弓(新保あさ)に助けられた。身寄りの無いおきみは以来、この宿で働きながら、母親を探している。手掛かりはお守りと指のあざだけだ。毎日お参りを欠かさないというおきみ。いつか出会う母親に渡そうと、小銭をこつこつ貯めていると聞き、母を思う気持ちに黄門さまは胸を打たれる。
さて、お銀(由美かおる)と飛猿(野村将希)は街道で、ならず者に襲われてた旅の女、おりく(三浦リカ)を救った。
黄門さまは事情がありそうなおりくの様子から、おりくがおきみの母親ではないかと察する。
しかし、おりくは、悪い遊びを覚えた息子の圭太郎(岡田聡)が立ち直らないうちは、おきみの母親と名乗ることは出来ないと黄門さまに打ち明ける。
圭太郎のおじ、陸奥屋久造(柴田侊彦)は圭太郎を堕落させ、店を乗っ取ろうと画策していたのだ。奉行の鳴海源之亮(遠藤太津朗)までもその計略に荷担していることを知った黄門さまは、悪者たちを懲らしめ、母娘を引き合わせようとするのだったが…。
黄門さま(佐野浅夫)一行は男鹿に着いた。ハタハタが名物のこの地、八兵衛(高橋元太郎)はたくさん食べられると楽しみにしているが、季節が違うと聞いてがっかり。また、親の言いつけを聞かない子供を懲らしめる、なまはげもこの地では有名だ。
さて、一行は人気のない街で、海女のお勝(丸山真歩)たちにいきなり、乱暴されて驚いた。事情を聞くと、このあたりでは熊嵐という盗賊の一味が出没し、大暴れしているのだという。お勝の父親も一年前に一味に襲われ、殺されている。黄門さまたちは一味に間違われたのだ。
黄門さまは悲惨な被害が出ているにも関わらず、役人の取り締まりが手ぬるいことが気になった。案の定、お銀(由美かおる)と飛猿(野村将希)の調べで、代官の瀬川九十郎(大林丈史)が熊嵐の頭目、定五郎(江藤漢)と通じていることが分かる。あきれたことに、瀬川は網元の娘お梅(久保浩子)をさらって自分に差し出すよう、定五郎に命じている。
お梅の兄、弥次郎(大橋吾郎)はお勝とは幼なじみで、二人は好き合っているのだが、お互い強情で顔を見ると喧嘩ばかりしていた。
そして、熊嵐一味が現れ、街を襲う。黄門さまは、なまはげに扮して一味を懲らしめようとするが…。