1999年3月22日〜10月18日(全30話

あらすじ:

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第6話(1999年4月26日放送)

 黄門さま(佐野浅夫)一行は天童へ着いた。町のめしやで一行はおたつ(三林京子)という年輩の女と知り合った。やつれた姿のおたつに黄門さまは酒を振る舞う。おたつは礼にいい旅籠を紹介すると言って「成駒屋」ヘ案内する。
 「成駒屋」の女主人、おしげ(大川栄子)はおたつとは古い顔馴染みだ。二人とも「成駒屋」で奉公していたが、女将に納まって幸せをつかんだおしげに対し、おたつは不幸な運命をたどった。
 おたつは子供の直次を育てられなくなり、養子に出してしまった。その後、所帯をもって「成駒屋」から暇をもらったが、亭主とはすぐ別れてしまったという。おたつと直次(山本陽一)は手紙をやりとりするだけの間柄になっていた。
 おしげは、直次と別れた後のおたつが、直次を不憫に思ってはよく泣いていたと黄門さまに語る。
 さて直次から仕事のついでに天童に立ち寄るので、おたつに会いたいという手紙が届いた。その手紙を眺めながら肩を落とすおたつに飛猿(野村将希)が声を掛ける。
 おたつは惨めな自分の境遇を恥じ、直次には自分が「成駒屋」の主人だと偽りの手紙を書いていたのである。
 子を思う母の心に感じ入った黄門さまは、直次が安心できるようおたつが女将に見えるよう芝居をうつのだったが…。


第7話(1999年5月3日放送)

 黄門さま(佐野浅夫)一行は尾花沢に着いた。黄門さまはこの土地で有名な紅花を見ることを楽しみにしている。もう一つの名所銀山への登り道で、一行は旅姿の若侍、間垣仁之介(辻輝猛)と出会う。
 仁之介の父、庄左衛門(水上保広)は銀山の見回り役だったが、数日前の落石で死んでいた。仁之介はその知らせを聞いて、山形から駆けつけたところだ。
 その時山で事故が起こり、けが人が出た。助さん(あおい輝彦)、格さん(伊吹吾郎)と仁之介が救いに走るが、山の役人に余計なことをするなと追い立てられてしまった。
 仁之介は一行を紅花問屋・田原屋久右衛門(峰祐介)に紹介する。久右衛門の娘お絹(竹岡真理)は仁之介とは恋仲だ。
 仁之介は、庄左衛門が死んだ後、代官・猪塚内膳(亀石征一郎)の手配、臼倉長十郎(潮哲也)が庄左衛門の遺品から何かを探していたことを、お絹から聞かされる。仁之介も庄左衛門から書き付けを預かっていないかと、直接臼倉から詰問された。
 実は、庄左衛門は、猪塚と臼倉が茜屋唐兵衛(二瓶鮫一)と結託して行っている、銀の横流しの証拠をつかんだために、臼倉たちの手によって殺されたのだ。一味は必死に証拠を探すが、まだ見つかっていなかった。
 証拠は秘かに山形に送られていたが、巡り巡って猪塚の手に渡った。悪の一味は紅花の利権も手中にしようと、久左衛門にも卑劣な罠を仕掛けるのだが…。


第8話(1999年5月10日放送)

 黄門さま(佐野浅夫)一行は久保田藩横手に着いた。この街は出羽の産物流通の拠点として賑わっている。黄門さまは、春吉(富平和馬)という少年から「黄門さま!」と声を掛けられ足を止めた。
 春吉は街を牛耳ろうとするやくざの鉄五郎(松山照夫)を懲らしめて欲しくて、黄門さまが通りかかるのを待っていたという。黄門さまが白いヒゲをはやしているという噂を聞き、偶然にも本物の黄門さまを呼び止めたのであった。
 身分を隠して詳しい事情を調べると、鉄五郎はいかさまばくちで人々から金を巻き上げ、馬方たちには法外な斡旋料を要求しているという。春吉の母、お政(斉藤とも子)ほか数人の馬方以外は淡々金を払っていた。
 お政の夫、蓑吉(安藤一夫)もばくちで金を取られ、今ではすっかり身を持ち崩していた。
 目に余る鉄五郎の悪行だが、後ろには町奉行の黒崎頼母(中野誠也)がついており、迂闊には動けない。すると春吉が子供らしく、黄門さまが本物の水戸黄門だと名乗って懲らしめればいいと、突飛な事を思いついた。
 だが鉄五郎は、黄門さまをニセ黄門と決めつけ、聞く耳を賃そうともしない。その上黄門さまを罪人扱いし、黄門さまを捕らえ磔にすると息巻いている。
 城代を呼ぶために、簑吉が久保田へと急ぐのだったが…。


第9話(1999年5月17日放送)

 黄門さま(佐野浅夫)一行は盛岡へ着いた。いよいよ沙耶(笹峰愛)の許嫁、鶴千代と対面することになる。
 一行は、その前に繋ぎの湯という温泉で疲れを癒すことにした。だが、黄門さまたちは、宿に泊まっている御馬買衆(おうまかいしゅう)という武士たちの無礼さに驚いた。
 御馬買衆は有名な南部の馬を買うために、大名に派遣されて集まった侍たちのこと。特に将軍家から派遣された旗本が一番質が悪いと聞き、黄門さまはあきれている。
 南部藩の侍や商人たちは、商売のためと御馬買衆の顔色を伺うばかり。すべては鶴千代がだらしないからだと沙耶。そんな若殿の嫁にはなりたくないと、怒りが納まらない。
 さて、沙耶とお銀(由美かおる)は旗本の境田権九郎(三夏紳)が少年の太郎吉(平井亮裕)から馬を取り上げようとしているところに出くわした。
 太郎吉は馬は千代丸(倉田てつを)という浪人に譲ることが決まっていると断るが、お供の南都藩士、市谷(伊藤高)、大崎(草薙良一)も境田の言いなりだ。お銀が境田たちを蹴散らした。
 藩士たちの不甲斐なさに、沙耶は鶴千代に会って意見がしたいと怒りを募らせる。
 一方、境田は旗本の威厳を傷付けられたとお銀、沙耶を探す。目に余る横暴さに、境田を懲らしめる黄門さま。
 そして、城内で沙耶は鶴千代と対面を果たす。千代丸が鶴千代だと知った沙耶は…


第10話(1999年5月24日放送)

 黄門さま(佐野浅夫)一行は浄法寺へ。このあたりは漆の産地で、南部箔椀などの名品が作られている。腕のいい木地師や塗師(ぬし)が揃っており、名人芸との出会いが楽しみな黄門様だった。
 街の手前で一行は六兵衛(長門勇)という調子のいい男と出会う。
 一行は、盛岡の殿様に献上する汁椀を決めるため、職人の腕比べが行われることを知った。松尾屋(新井量大)と鬼石屋(北町嘉朗)が椀を作ることになった。出来あがりを検分するのは郡奉行の綿貫源三郎(小野進也)と郡代の広瀬太郎亮(南条豊)だ。
 鬼石屋と綿貫は献上品に選ばれることで椀の取引を独占し、私腹を肥やそうと結託していた。そのために鬼石屋はやくざの甲子蔵(曽根晴美)を使い、あの手この手で松尾屋の妨害をする。黄門さまは六兵衛が鬼石屋の動きを探っていることに気づく。
 松尾屋の塗師は麟六(岡野進一郎)と決まった。若いが腕は抜群だ。麟六は名人とうたわれる圭三(谷幹一)の木地を使いたいと願っているが、圭三は興味がないと断った。
 麟六の妻、おきわ(有沢妃呂子)は圭三の一人娘で、おきわと強引に夫婦になった麟六を圭三は快く思っていなかった。
 実は六兵衛は麟六の父親で、かつては名人といわれる腕前だった。六兵衛はばくちで身を持ち崩し、五年前に家を出たままになっていたが、献上箔椀の噂を聞きつけ、麟六を助けようと街に帰ってきたのだ。黄門さまのとりなしもあって、二組の親子の縁が戻る、箔椀が完成する。
 そして検分の席上、綿貫は麟六の椀を落とそうとするが…。



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