1998年2月9日〜8月17日(全26話

あらすじ:

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第11話(1998年4月27日放送)

 黄門さま(佐野浅夫)一行は霧島へ向かっていた。途中休憩したうどん屋で旅の商人大隅屋(大出俊)が口を付けたうどんが気に入らず食べ残すのを見て、黄門さまは不愉快になった。ところが、そこに居合わせた伊助(佐野圭亮)が、店の女を慰めるのを見て、うれしく思う。
 伊助は霧島にある湯宿山鹿(やまが)屋の息子だ。一行は山鹿屋に逗留することになった。山鹿屋の主人喜左衛門(中野誠也)は猪狩りに出かけており留守で、おかみのおこう(大塚良重)と娘のお絹(竹本聡子)が一行を出迎えた。
 しかし、喜左衛門は又八(功刀明)に撃たれた傷がもとで死んでしまう。息を引き取る前の喜左衛門が、伊助が実の子ではないと話していることを偶然聞き、伊助本人は驚く。二十年ほど前、寺の前に捨てられていた伊助を喜左衛門夫婦が我が子として育てていたのだった。
 その頃、このあたりを支配する代官の角倉弾正(かどくらだんじょう・浜田晃)は、藩の林を伐採し、私腹を肥やそうとしていた。大隅屋はそのために鹿児島から呼ばれたのだ。大隅屋は山鹿屋を手中にし、湯宿の儲けも我がものにしようと企んでいた。喜左衛門が撃たれたのも、おこうに横恋慕している角倉が又八をだまして狙わせたのだった。
 ところで、お銀(由美かおる)、飛猿(野村将希)の調べで、二十年前に赤ん坊を捨てたのは大隅屋だったことがわかる。その赤ん坊が伊助だと知った大隅屋は悪事を反省し、角倉と手を切ろうとする。角倉は大隅屋の親心までも悪事に利用しようとするが…。


第12話(1998年5月4日放送)

 黄門さま(佐野浅夫)一行は鹿児島へ向かっていた。街道の通行改めが厳しく不審に思った黄門さまたちだったが、公儀の巡見史が見回りに向かっていることを知った。
 役人たちは黄門さまたちが知り合った武居啓四郎(若山騎一郎)、奈津(八木小織)兄妹を探していたのだ。兄妹は無謀にも巡見史の鷲見儀兵衛(伊東達広)と国家老上川国久(和崎俊哉)を両親の仇と狙っていた。啓四郎は慎重な性格で、奈津は男まさり。二人はしばしば意見が衝突する。
 兄妹の父、武居作之丞(神山寛)は二年前、鹿児島藩の異国船掛りとして交易に携わっていたが、藩の苦しい財政を助けるため、上川の指示で琉球との密貿易に手を染めていた。
 しかし、鷲見儀兵衛が見回りに来ることになった。密貿易が知れると藩は一大事だ。作之丞は上川に藩を救うためと頼まれ、一人で抜け荷の罪を負って死罪となったのだ。だがその後、鷲見と上川が共謀いていたことが分かったという。鷲見たちは作之丞に罪を着せ、私腹を肥やしていた。兄妹の母も父の死後、病に倒れ息を引き取る。
 啓四郎たちに狙われていることを知った上川は、兄妹をかくまっていたふじ(杉山とく子)を捕らえ、処刑すると触れを出す。それは啓四郎たちを誘き出そうとする罠だった…。


第13話(1998年5月11日放送)

 鹿児島を発った黄門さま(佐野浅夫)一行は人吉に向かっていた。黄門さまは下級武士の高田平蔵(伊藤孝雄)、花(三井ゆり)父娘が人々のため用水路造りに奔走していることを知る。しかし、不運にも洪水が続き、七年経っても完成のめどは立たず、金も底をついてきた。平蔵は村人からは山師と呼ばれ蔑まれている。
 家老の吉田忠兵衛(高桐真)は平蔵の計画に理解を示すが、直接費用を握る郡奉行の戸崎典膳(亀石征一郎)は、計画を中止するよう強く平蔵に言い渡す。肩を落とす平蔵を花が優しく励ますのだった。
 頼みの綱は物産問屋錦屋(早川純一)だが、商用で出かけており留守。番頭の清吉(新田純一)はこれ以上開発を進めることは無駄だと考えている。清吉は花に思いを寄せており、花をもう用水路の犠牲にはしたくなかった。
 ところで、用水路が通る予定地に古寺があって、幽霊が出ると恐れられていた。実は、この寺には戸崎が藩の物資を横流しして、密かに蓄えた財宝が隠してあったのだ。戸崎が開発のじゃまをするのは、財宝が見つかるのを防ぐためだった。
 その上、戸崎は錦屋に用水路に出資しないよう圧力をかけてきた。万策尽きた父娘。花は開発が成就するように、自ら人柱となって神仏にすがろうとするのだが……。


第14話(1998年5月18日放送)

 黄門様(佐野浅夫)一行は宇土(うと)に向かっていた。この土地は水がうまいことで有名だ。黄門様たちは川に身を投げようとしているおとき(光井みほ)を助けた。おときは轟泉(ごうせん)屋という商家の女中だ。湯治場へ連れて行った主人の息子・小太郎(平井優也)が行方不明になったため、死んで詫びようとしたのである。
 その矢先、身代金を要求する投げ文が届く。文には小太郎の父親、宇平(岡野進一郎)に一人で金を持ってくるよう記されていたが、宇平が急病で倒れたため、黄門様が小太郎の祖父を装い、八兵衛(高橋元太郎)と一緒に身代金を持って出向くことになった。
 小太郎を誘拐したのは代官・江口藤左衛門(江見俊太郎)の息の掛かったならず者、十兵衛(片岡五郎)の一味だ。実は、江口は、宇平に裏金を要求していたのだが、断られたため、誘拐に及んだのだった。
 小太郎は、黄門様になついて本当の孫のようだ。小太郎を助けるため、黄門様が身代わりに残ることになった。小太郎は黄門様を無事助けるため、身代金を払って欲しいと宇平に頼むのだが…。


第15話(1998年5月25日放送)

 伊万里に着いた黄門様(佐野浅夫)は、この土地で有名な伊万里焼きを見ることを楽しみにしていた。伊万里焼きは、海外にも紹介されている特産品だ。
 一行は、伊万里焼きの品物を運ぶ、磁器問屋「加納屋」の番頭、彦兵衛(蔵多哲雄)たちが、朽木十郎太(岡田正典)を頭目とする山賊に襲われるところに出喰わして驚いた。
 助さん(あおい輝彦)格さん(伊吹吾朗)の活躍で、彦兵衛は軽い怪我ですんだが、品物はすべて持ち去られてしまった。山賊に襲われるのはこれで三度目だという。だが、代官所が盗賊を野放しにしていることを知って、黄門様は不審に思った。
 加納屋は、先代が死んでから娘のお智沙(石倭裕子)が仕事を仕切っている。盗まれた焼き物は、藩御用の大切な品だ。早速、名人の卯右衛門(下川辰平)、啓作(山下規介)父子が改めて作ることになった。黄門様も土をこねたりと仕事を手伝う。
 実は、代官の淵上主膳(小林勝彦)が朽木たちを使って焼き物を盗ませていたのだ。淵上は問屋の熊田屋(宮路オサム)と結託してそれを売りさばき、私腹を肥やしていた。代官所が山賊を捕らえようとしないのは、こんなからくりがあったのだ。
 急いで仕事を進める卯右衛門たちを、熊田屋の息のかかったやくざものが襲う。怪我を負った卯右衛門に代わり、啓作が仕上げをするが、思うようにいかない。思い悩む啓作を黄門様は自分を信じるようにと励ますのだが…



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