注目選手

世界No.1の飛ばし屋、勝てば3つ目のメジャー （*2月15日時点）

ブライソン・デシャンボーBryson DeChambeau (age31, 185cm, 106kg)世界ランキング 10位（2月15日時点）

「つまらないゴルフ」の強さでオーガスタ初制覇を狙う

かつて「オーガスタは自分にとってはパー67で十分」と強気の発言をしたデシャンボー。その割には2022、2023年と2年連続で予選落ちに終わりひんしゅくを買うことに。しかし昨年の大会では、初日にいきなり3連続バーディでスタートし、65をマークして7アンダーでトップに立つ。そして「2日目からもアグレッシブにプレーする」と宣言。だが、2日目以降は3日連続でオーバーパー。終わってみれば2アンダーまで後退、6位タイに沈んでいる。周りからは「やっぱり、強気一辺倒ではね」との声も。彼は常々「人間は失敗から学ぶ」と言っていたが、それがあらわれてきたのはその後のメジャー2戦目の全米プロ。優勝したシャウフェレにわずかに1打及ばずも2位と健闘した。

謙虚さも身につけて人間的にも大きく成長

そして6月、難コース、パインハーストでの全米オープンでは、以前の攻撃的なゴルフとは対照的に「つまらないゴルフに徹する」と宣言。フェアウェイに打ち、グリーンの真ん中を狙うというのだ。その通りに4日間を戦い、2020年に続いて2度目の大会制覇を果たした。メンタル面も豹変し、並んでいたファンには全員にサイン。「このトロフィーはみんなのおかげ」と謙虚に感謝することも忘れなかった。独自のクラブ理論を「マッドサイエンティスト(狂った科学者)」と揶揄されたこともあったが、その後の実績を見れば、狂っていないどころか「まともなゴルフ科学者」であることも証明された。圧倒的な飛距離に加え、今回彼がオーガスタをパー72ととらえる謙虚さをもって臨むなら、グリーンジャケットに最も近い一人になることは間違いないだろう。