草彅剛さん×仲間由紀恵さんSPインタビュー

草彅剛さん×仲間由紀恵さんのスペシャルインタビューを、前後半の2回に分けて紹介します。撮影中の苦労話やドラマへの想いなどなど、たっぷりと語ってくれました!

インタビュー後編

――今回の役柄を演じるに当たって、なにか参考にしたものや感じたことは?
仲間 日本を離れ、一攫千金の夢を求めてアメリカへ渡った人たちなので、すごく前向きな人たちだと思いました。でも今回は、特別、なにか本を読んだりはしていないです。
それと、今回の役を通して感じたことは、あらためて、戦争はいけないと、なにより感じました。戦争は、誰にとってもよくないことだと。移民の方に関しては、今まで暮らしてきた自分達の家を突然没収されて、今日からここに住めと言われたりするわけですが、怒りのぶつけようもないし、本当に酷い話だと思いました。
そんな中でも、日本人の誇りを忘れずに頑張って、自分だけのためではなく家族や大切な人のために必死に生きてきた。そういう前向きさと強さは、日本人の誇りだと思えることを、たくさん体験させていただいたので、ぜひこの作品を通して、たくさんの人に感じてほしいと思います。私達みたいな戦争を知らない世代の方にも、そんな人たちがいたんだと、身近に感じていただけたらいいですね。
草彅 僕もこのドラマに関わるまでは、日系移民のことについては、ほとんど知りませんでしたが、日系移民の収容所のあったマンザナーというところで撮影をしたり、当時の資料を展示する施設を訪ねて、当時の方々の写真など、たくさん見てきました。
それと、この撮影に入る前に、スタッフの方からも資料をたくさんいただいて勉強して。それから、実際に自分が演じる役と照らし合わせたり。そんなこともあり、日系移民のことについて、超特急で体験させていただいたんですけど、ホント、今の僕の生活とは何もかもが違っていて、驚くことばかりでした。その中で日本人の強さなどを感じました。
収容所のあったところは、ホント砂漠みたいなところだったんですけど、そんなところに畑や庭園とかを造っちゃうんですね。「そこにあるものだけで頑張ろう」っていう台詞があったんですけど、雑草のように生き抜いて、その中でも楽しみを見つけることも忘れないという。日本人は、本当に強いんだなって思いました。
それと、日本人の持っている優しさもすごく感じられましたね。困っているときはお互いに助け合おうという気持ちとか。そういった温かさって、現代の日本人はちょっと忘れちゃっているところがあると思うんです。
一郎が入隊する日本人だけで編成された442部隊があるんですけど、日系人はアメリカからも日本からも守ってくれなくて、そんな中、彼らは家族のために頑張ろうって思うんですよ。それが大和魂だなって思いましたね。ホント、日本人ってカッコイイですよ。
そんな風に感じていたんですけど、撮影が終わって何ヶ月か経つと、ダラ~っとしちゃって、撮影をしていた頃の自分はどこへいったんだという感じ(笑)。
コンビニがあって、ホントよかったですよ。アメリカでロケをしていたところなんて、なんにもありませんでしたしねぇ。夜なんかは、どこにも出かけられないから、ホテルに篭っているしかないし。
仲間 せっかくいい話をしていたのに、説得力がなくなるじゃないですか(笑)。
草彅 でも、今の世の中のように情報が錯乱…じゃなくて錯綜しまくっている状況なので、アナログじゃないですけど、どこか手で感じられる確かな温もりとか、人の温かさを忘れてしまっていると、なんだかやっぱり寂しいって思いますよね。だから、たまには何もないところで生活ができてよかったです。
仲間 なんだか、合宿みたいでしたよね。
――撮影中、印象に残るシーンやエピソードなどはありますか?
仲間 ロケ地を移動する車が故障してしまって、草なぎさんの車に乗せていただいて、5~6時間くらい一緒に移動したり…。
草彅 いろいろありましたね、シカが出てきたり、ハリケーンが来たり。大自然の中ですからねぇ。
仲間 天候の変化もすごかったですね。ものすごく暑かったのに、急にヒョウが降ってきたり、大雨になったり、大風が吹いたり、一日のうちにものすごく変わるんです。 それと、撮影中のエピソードというと、たくさんあってなにを話せばいいのか…そう、泉ピン子さんはやっぱりお元気で、ずっとおしゃべりされてましたね(笑)。今回、ピン子さんが演じられたともと私が演じたしのぶは、いわゆる現代劇の「嫁姑の戦い」みたいなものではなくて、ともという女性は、家族や私のことを温かく見守ってくれるという役ですが、現場でも、いろいろとコミュニケーションをいちばん取ってくださったのがピン子さんで、役から離れたところでも、そういった空気作りをしてくれていました。「あれ、大丈夫?」とか「ここやりにくいでしょ?」とか、みんながやりやすいよう気を配って下さいました。
草彅 僕は、すごく体が鍛えられましたね。畑仕事のシーンでは、鍬を持って畑を耕したり、軍隊のシーンなどは、銃を持ってヘルメットを被って、きちんと装備するとけっこう重いんです。それで走ったり山を登ったりとしたので、ホント鍛えられました。
仲間 私はトラクターを運転させてもらいましたが、運転が難しかったですね。車の免許を持っていれば大丈夫だっていわれたんですけど、すぐエンストしたりして。そのリアルに苦労している部分が映像になっていると思うので、そこも観ていただけたらと思います(笑)。
――今回が初共演ですが、お互いの印象や演じてみて感じたことは?
仲間 草なぎさんは、すごく自然にリードしてくださいました。あまり動きを決めずに、そのときその時の気持ちの流れで出てくるものが、自然にはまっていたと思います。距離感をあまり考えずに、自然な感じで演じられましたね。私、大丈夫でした?
草彅 僕は、すごく安心できていて、初めて共演させていただいたんですけど、なんかイイジャン! みたいな(笑)。
仲間 ありがとうございます。
草彅 特に細かいところを打ち合わせしていたわけじゃないんですけど、自然な感じで演じられたと思います。多分、それは由紀恵ちゃんが自然に受けていてくれたからだと思います。由紀恵ちゃんの器の大きさというか、そこだと思います。
仲間 そんなことないですよ(笑)。
草彅 例えば、僕が変なことをしても、動じないでキチンと対応してくれていたし。僕は、どちらかというと好きにやっちゃってたんですけど、ジャイさんも好きにやらせてくれたというか、そんな感じだったんですね。例えば、カメラの位置などはあまり気にせず、どこに立ってもちゃんと撮ってくれているだろう、みたいな気持ちで演じていました。若い頃の長吉も一郎も、すごく動く人だったので、ホント自由にやらせていただきました。ただ、周りの人は大変ですよね、由紀恵ちゃんも大変だったと思います。
仲間 いいえ、楽しかったですよ。自然に演じればいいんだって思いましたし。
草彅 ホント、お世話になったなぁ。
――最後に、このドラマを観た方に何を感じてほしいと思いますか?
仲間 まずは、こういった方たちがいらしたんだということですね。それと、あの時代だから家族の仲がよかった、ということではないですよね。最近は悲しいニュースがたくさんありますけど、家族を思う気持ちを一人ひとりが意識することで、それが日本人の誇りに繋がってくるのではないかと思います。このドラマの話は、ほんの3世代前のおじいちゃんの世代の話なので、単なる昔話ということではなく、同じ日本人がすごく大変な目に遭ったけど、誇り高く生きてきたということを身近に感じ、なにか熱いものを感じていただければと思います。
草彅 僕も同じです。言われちゃいましたね。
仲間 言ってしまいましたね(笑)。
草彅 とにかく、すごくおもしろいですし、平和や家族の大切さもすごくよく伝わると思いますし、みなさんに知っていただければと。それと映像もすごいので、観ていて引き込まれてしまうと思います。こんなに壮大なドラマはなかったので、ぜひ観ていただきたいですし、観ていただけたなら必ずなにか心に残るものがあると思います。

インタビュー前編に戻る


ページトップへ戻る