放送内容
南フランスを南北に流れる、フランス四大河川の一つローヌ川。川は文化を運び、歴史を作り、街を豊かにし、芸術家の心を動かし、大自然を育んだ。今回はゆったりと川を下りながら、川沿いの4つの世界遺産をめぐる。それぞれの街は、川と共にどう発展してきたのか。歴史の流れと、川の流れが交錯する美しい風景をぜひ楽しんでいただきたい。
絹織物で栄えた街・リヨン
フランス第二の都市・リヨンは、絹織物で栄えた街。その立役者は、この街で発明された「ジャカード織機」。絹織物は川を使ってフランス各地に運ばれた。豊かになった街には、市民の寄付によって聖堂が建てられ、街のシンボルとなっている。
かの英雄にまつわる街・オランジュ
オランジュの街の目抜き通りには、凱旋門がそびえ立つ。そこには古代ローマの栄光を伝えるレリーフが。この街は、英雄カエサルの元で戦った兵士たちが築いたとされている。古代ローマ劇場では、カエサルの後継者アウグストゥスの像も見られる。
途切れた橋の街・アヴィニョン
アヴィニョンは、かつて“キリスト教世界の中心”だった。この地にローマ教皇が住んだからだ。壁に囲まれたこの街のシンボルは、途切れた不思議な橋。この地では、しばしばローヌ川が氾濫し、橋が流されてしまった。
芸術家が愛した街・アルル
自ら耳を切り落とした画家・ゴッホ。ゴッホはアルルの街に住み、いくつもの作品を残した。そのうちのひとつが「ローヌ川の星月夜」。ゴッホが見たであろう美しい風景は、今も河岸に残っていた。