放送内容
南イタリア。ナポリ近郊にそびえる、「世界で最も危険」といわれるヴェスヴィオ火山の大噴火により、灰に埋もれた古代ローマの都市ポンペイ。2000年前のこの先進都市が再び姿を現したのは18世紀のことである。栄華を誇ったポンペイは未だその4分の1が手つかずのままであり、250年以上たった今も発掘が続けられている。近年の発掘により浮かび上がってきた、ポンペイの新たな真実に迫る。
今も発掘中 古代の宝物たち
現在発掘が進む、灰に埋もれた富裕層の邸宅跡から、室内を彩る色鮮やかなフレスコ画、犠牲者が身に着けていたヘビの形の黄金の腕輪、床を飾るギリシャ神話をモチーフにしたモザイク画など、古代ローマの新たな宝物が次々と発見されている。
2000年前の先進都市
ポンペイの町は、敷石で舗装された目抜き通りを中心に広がっている。2000年前の人々が集った居酒屋、様々な配慮と工夫が施された公共浴場、今と変わらぬ竈を使ったパン屋などがひしめきあう。
ヴェスヴィオの大噴火と最後の日
西暦79年、ヴェスヴィオ火山の大噴火でそのまま灰に埋もれたポンペイ。700度もの高熱ガスで息絶えた犠牲者は2000人あまり。100を超える遺体は石膏像として、その時の様子を生々しく今に伝えている。
火山灰のタイムカプセル
火山灰が皮肉にも乾燥剤となり、ポンペイレッドと呼ばれる2000年前の絵画の赤を守った。また一方で近年の発掘で見つかった邸宅の落書きは、やはり火山灰に覆われ残り、ポンペイ最後の日の定説を覆すことになるかもしれない。