放送内容
中国、四川省にそびえる岷山山脈に絶景の渓谷「九寨溝」はある。Y字型に連なる3つの渓谷からなり、総延長はおよそ50km。上流の渓谷から下流までの標高差は1000mほどあり、100以上の湖や巨大な滝が美しい自然景観を作り出している。澄み切った流れが生む透明な湖「五花海」や青く輝く棚田のような湖「樹正群海」は九寨溝ならではの独特な景観だ。さらに今回は、四季折々の九寨溝の絶景を紹介する。
滝がつなぐ 100の湖
九寨溝を上流から下ると、階段状に連なる湖を大小の滝がつないでいる。湖の数は100以上あるが、岩場の斜面を水が流れる「珍珠灘」もある。珍珠は中国語で真珠のこと。水の飛沫が真珠のように見えるからだ。さらに最大の滝「ノーリラン瀑布」の景観は圧巻だ。
石灰華が生んだ不思議な湖
棚田のような湖「樹正群海」を生んだのは、石灰華と呼ばれる石灰の堆積物だ。九寨溝の一帯は石灰岩の地形。渓流のほとんどが山からの湧き水だ。その水に含まれる大量の石灰が、石や土砂に付着して積み重なり、湖と湖を隔てる土手を作り上げたのだ。
秋の色 絶景の渓谷
秋は九寨溝が色あざやかな季節。赤や黄に染まった森と青い湖は絶景だ。最も美しいといわれる「五花海」は羽を広げた孔雀にもたとえられる。さらに秋に現れる不思議な湖もある。夏に降った雨が一旦地下にしみ込み、秋になると湧き出して美しい湖になるのだ。