放送内容
九州から台湾にかけて連なる琉球列島。このうち、鹿児島県の奄美大島と徳之島、沖縄県の沖縄島北部と西表島の森林は、多種多様な動植物の宝庫だ。これらの島々は、かつて大陸の一部だったものの、地殻変動などによって大陸から離れたことで、大陸では滅んでしまった動物たちが生き残っているほか、島々の環境に適応して独自の進化を遂げた。ユニークな生き物たちと、彼らを育んできた島の秘密に迫る。
日本最後の秘境
島のほぼ全域が世界遺産となった西表。日本最大のマングローブ林が広がり、その間を幾筋もの川が流れている。沖縄県最大の落差55メートルを誇る、ピナイサーラの滝など、豊かな水が深い森と生き物たちを育んできた。
ここだけの生き物たち
亜熱帯の森が広がる西表島には、ここだけの生き物たちが暮らしている。丸く盛り上がった甲羅がトレードマークのヤエヤマセマルハコガメは、かつて大陸と地続きだったころの生き残りだと考えられている。
大陸から分かれて600万年
沖縄島北部は、600万年以上前、大陸から分かれたと考えられている。この島で、独自の進化を遂げたのがヤンバルクイナだ。肉食の哺乳類がいないため、飛ぶ必要がなくなったと考えられている。翼は小さいが、代わりに脚を発達させた。
満月の神秘
夏の夜、一晩だけ咲いて散るサガリバナ。特に満月の夜、より多くの花が開くと言われていて、島は甘い香りに包まれる。翌朝、受粉を終えた花は、力尽きたように川面に散っていく。夜、樹の上で華やかに咲き誇り、最後に水面で咲くのだ。