放送内容
南米アルゼンチンのパタゴニア地方に聳えるアンデス山脈。そこに「ロス・アレスセス国立公園」がある。ロス・アレスセスは、山あいにいくつもの湖が点在する美しい公園。湖はすべて、氷河が大地を削ってできた氷河湖である。氷河湖の周りには、鬱蒼とした原生林。そこに生える巨木は、失われた南極の森の秘密を秘めていた。そして、山の頂を覆う氷河。そこはまさに、パタゴニアの絶景の地だった。
標高1500m 崩落する氷河
ロス・アレルセスでは、標高1500mより上に氷河が広がっている。山の斜面を、高さ数十メートルの氷河が崩落する瞬間の撮影に成功。その氷河の下には、エメラルド色の氷河湖がある。エメラルドに輝くのは、氷河が運ぶ岩の粒子が太陽光を反射するためだった。
暴風が生んだ氷河と奇岩
パタゴニアでは風速60m以上の暴風が吹くこともしばしば。風は太平洋から吹いてくるため湿気を含み、アンデスにぶつかると雪を降らせる。山頂付近では万年雪となり、それが氷河になるのだ。さらに風は、高さ240mもの奇岩を生んでいた。
失われた南極の森
ロス・アレルセスには、樹齢2600年にもなるパタゴニアヒバの巨木が生えている。さらに森にはナンキョクブナの巨木も。実はナンキョクブナの化石は南極でも見つかっており、それにより、かつて南極に森があったことが分かったのだ。