放送内容
今回は日本初の世界遺産、白神山地です。そこは青森と秋田にまたがる広大なブナ原生林。かつては日本のどこでも見られた風景でしたが現在手付かずのブナ原生林が残るのはここだけとなってしまいました。私たちは一年間白神山地に密着取材を敢行、四季折々の絶景を映像におさめました。絶景により明らかになった日本初の世界遺産の価値をじっくりとご覧ください。
冬の終わりから春の絶景
白神は海が隆起して生まれた山地で、現在も隆起を続けています。それゆえ急峻で、土壌は脆く崩れ易く、冬の終わりには雪崩が、その後は山崩れがしょっちゅう起こります。崩れた土はやがて地滑りを起こし、その上に芽を出すのがブナなのです。
夏の絶景
白神山地が海底だった証拠に、山中の谷を歩くと貝の化石を多数見ることができます。ブナの表皮は水が流れ落ちやすく、雪解け水や梅雨、台風の雨を溜め込みます。そのため白神山地は「天然の水甕」といわれるほど水量は豊かで、景勝地として名高い多くの滝や湖を見ることができます。
秋の絶景
秋は紅葉です。ブナは黄色から茶色に色づきます。この色ベースに他の広葉樹の赤や緑が加わり、白神山地は上空から眺めるとため息が出るほどの美しさに染まります。こうなるともはや言葉は要りません。空からの白神山地の紅葉を十分にご堪能ください。
冬の絶景
日本海、白神山地の沖合を流れる対馬暖流は白神山地から流れ落ちる冷たい水を含んだ海流と混じり合わず、海上に「潮目」というラインを作ります。そして温かい水は大量の水蒸気となり白神にドカ雪をもたらします。この豪雪がやがて融け出しブナ林を潤し養うのです。11月から5月までの長い冬。樹氷に覆われたブナはしなやかにたわみ雪の重みに耐えます。