放送内容
メキシコ、ユカタン半島の密林に埋もれたマヤの古代都市チチェン・イツァ。町の中心に位置する大ピラミッド、ククルカンのピラミッドはマヤ人たちが星の運行を肉眼で観測してできた巨大なカレンダーとして知られるが、2009年、新たな天文装置が見つかった。聖なる泉セノーテのひとつ、オルトゥン・セノーテには年に2回、天頂から垂直に太陽光線の柱が現れる。種まきのサインとされる神秘の瞬間を捉えることに成功した。
年2回 聖なる泉に光の柱
オルトゥン・セノーテは年に2回、5月23日と7月19日に天頂通過する太陽光を垂直に採り入れられるよう、マヤ人が天井部の入口を加工したもの。光が垂直に見えている時間は1分足らず。灯りのない内部のドーム空間は、その時だけグロテスクな岩肌を現す。
脅威の巨大天文装置
ククルカンのピラミッドは、羽毛のある蛇の神を祀り、春分と秋分の日に階段の影がジグザグに映って、蛇が天から舞い降りてくるように設計されている。また、東西南北91段の階段の合計に頂の神殿の1段を加え、ちょうど365日になるよう計算され造られた。
雨の神への捧げもの
オルトゥン・セノーテの水中で見つかった若い女性の頭蓋骨は、セノーテの底に宿っているという雨の神に捧げられたものだった。西暦900年頃、続く大旱魃に苦しめられたマヤ人はセノーテ内の水位の下がった石棚で、雨乞いの儀式を行ったのである。