特集

コモド国立公園

西カメラマンインタビュー

Q:カメラマンとして、一番この撮影が苦労したなど、おすすめのものを教えてください。

コモド国立公園

がんばった甲斐あって、当初は無理じゃないかなと思っていたシーンを数多く撮影することができました。特に注目していただきたいのは、ビッグボスが水牛を捕食する場面です。コモドドラゴンは一度満腹になると数カ月何も採らなくても生きていけるので、水牛のような大型の動物を捕食するところを撮影できたのは非常に幸運でした。
取材日程の最終日にやっと撮ることができた貴重な映像です。コモドドラゴンの独特なハンティングを放送でぜひご覧になってください。 それからぜひ観ていただきたいのは、放送の前半部分にある、ドラゴンが現れたあと、カメラ側へ向きを変えて進んできたところをアップで捉えるカットですね。もう本当に舌がレンズにあたるんじゃないかというほど至近距離で撮ることができました。レンジャーからストップはかけられませんでしたが、まわりの取材スタッフはあまりに接近しているのでヒヤヒヤしながら見ていたようです。
あとは、歩いているコモドドラゴンと平行移動しているシーンが、カメラマンとしてやりがいのあった撮影でした。ドラゴンをおびき寄せるのが得意な現地の人が居て、取材スタッフは「ドラゴンマスター」と呼んでいました(笑)。彼が餌を持ってビッグボスを引きつけてくれるんですよ。どこからどこまで歩かせるのか、どのくらい距離が必要なのかといったことをあらかじめ計算してレールをセッティングし、そこへドラゴンを誘導してもらいました。見事ドラゴンの歩く姿とそのスピードが伝わる印象的なカットが撮れたので、ここも見所の1つです。

Q:今後も危険な動物の撮影に挑戦してみたいですか?

コモド国立公園

もちろん機会をもらえれば、どんな撮影でも一生懸命取り組みたいです。今回取材を終えて、アフリカで動物を撮ってみたくなりましたね。一方で、文化遺産の建築物ももっと撮ってみたいです。建物には人間が作り上げてきた歴史があり、自然には地球が作りあげてきた歴史があるわけで、そうしたものが撮れるというのは非常に魅力的ですね。取材の対象には常に畏敬の念を持ちながら撮っていきたいです。

Q:最後に番組をご覧になる方へメッセージをお願いします。

なるべく近くで撮りたいというのが今回の目標だったので、それは果たせたかなと思います。危険を顧みずというほどでもないのですが、緊張感を持っていろいろなシーンを収めてきました。コモドドラゴンにあれだけ近づいて撮影した映像は貴重だと思いますので、ぜひ観ていただきたいです。