特集

コモド国立公園

西カメラマンインタビュー

今回の特集でご紹介する世界遺産は「コモド国立公園」。インドネシアの国立公園の1つで、世界最大のトカゲ「コモドオオトカゲ」、別名「コモドドラゴン」が生息することで知られる世界遺産です。コモドドラゴンは肉食で、家畜や人間を襲うこともあると言われています。一方で、かつてはインドネシアの島々に多数生息していたドラゴンですが、人間の開発などによって激減し、現在は絶滅危惧種に指定されています。そんなコモドドラゴンに数cmのところまで接近して迫力の映像を撮影してきた西カメラマンにお話を聞きました。

Q:まずコモド国立公園はどういった世界遺産なのか、教えてください。

コモド国立公園

国立公園は、インドネシアのコモド島、リンチャ島、パダル島とそれら周辺の小島を含んでいるのですが、今回はコモドドラゴンが多く生息しているコモド島とリンチャ島を取材しました。島の気候はサバンナで乾燥しています。それほど暑く感じないのですが、実際は気温50度くらい。日陰で涼しいといっても30度は超えていました。
海が非常に美しい島々で、特にコモド島の「ピンクビーチ」と呼ばれる砂浜では、波で削られた赤い珊瑚の粒が白い砂に混ざっていて、見たことがないほど美しい光景が広がっていました。

Q:人間を襲うこともあるというコモドドラゴンですが、どんなふうに撮影したのでしょうか?

取材1日目は、まず、寝ているコモドドラゴンの撮影からでした。コモドドラゴンは変温動物のため、起きてもすぐはまだ体温が上っていないので動きが遅いのです。次にレンジャーに連れて行ってもらったのが、コモドドラゴンが歩いてできたケモノ道でした。「この道を通るからここに居ろ」と言われて、カメラを構えて待っていたら、そこに2m80cmぐらいのドラゴンがやって来て、50cmほどのところまで迫ってくるんです!
初日ということもあって正直怖かったです。「本当に大丈夫? 大丈夫?」って叫びながら撮影していました(笑)。でも、撮らなきゃいけないですからね。

Q:今回の撮影で最も大きかったコモドドラゴンはどれくらいの大きさでしたか?

3mほどありました。レンジャーたちが「ビッグボス」と呼んでいる、リンチャ島で一番大きなコモドドラゴンです。ビックボスに近寄られると、本当に食べられるかと思うほど、すごい迫力がありました。