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2018年8月19日放送
ワスカラン国立公園

氷の剣山

標高5000m付近より高地に広がる氷河。その上を歩くと不思議な光景に出くわします。
剣山のように尖った氷の塔が、氷河の表面を覆っているのです。氷の塔は、赤道近くの乾燥した高地にある氷河だけにできる特別な造形でした。

100年に1度咲く花

標高4300mもの高地に林立する巨大な植物「プヤ・ライモンディ」。高さ10m以上にもなる世界一高い高山植物です。その生態はかなり変わっています。100年かけて成長し、生涯の最後にたった一度だけ花を咲かせるのです。

2つの海の源流

ワスカランには、太平洋と大西洋、2つの海の源流があります。その源流があるのは、大陸分水嶺と呼ばれる標高4750mにある稜線。その稜線に降った雨は、僅か数ミリメートルずれるだけで全く異なる旅をして、異なる2つの大海に辿り着くのです。

アンデス山脈、6000m級の山が連なる「ワスカラン国立公園」。赤道に近い熱帯にありながら、山頂を氷河が覆っています。その規模は、熱帯にある氷河地帯としては世界最大。
気温は、昼間20℃近くになることもありますが、山頂付近では、夜マイナス20℃にもなる特異な環境にあります。国立公園には、氷河が削った鋭い峰や巨大な谷、さらに氷河から融けた水が溜まったコバルトブルーの氷河湖など、息をのむ絶景が広がっていました。

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