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2018年3月4日放送
シューシュタルの歴史的水利システム

水路だらけの装置

いくつもの水路が作られた崖は、巨大な装置でした。上流からの水を滝のように水路に落下させ、その勢いで水車を回していたのです。水車は小麦を挽く石臼を動かしていたのです。かつては40もの水車がある製粉所でした。

水はどこから?

ペルシアの王は、山の雪解け水が生んだカールーン川に巨大なダムを築き、大運河へ水を引き入れました。水は街の製粉所を抜けて下流の田園地帯へ。この豊かな土地も、かつては砂漠だったのです。大運河が与えてくれた恵みでした。

もう一つの運河

街には農業用水の大運河と、もう一つの運河がありました。15年前まで水が流れていたダリウン運河です。この水は炊事や洗濯で使う生活用水でした。砂漠を潤す巨大な水利システムは、人々の暮らしを豊かにするために築かれたのです。

イラン西部の砂漠の街、シューシュタルにある巨大な水利システムは、古代ペルシアの王が、紀元前5世紀から建設を始めた大事業です。大山脈の雪解け水を水源にして、砂漠を農地に変えるための大運河を引いたのです。運河には小麦を挽く製粉所も作りました。さらに古代ローマの土木技術などを取り入れ巨大なダムや橋も建設したのです。2000年以上流れる大運河は今も現役。シューシュタルの街を潤しています。

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