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2017年7月9日放送
ツィンギ・ド・ベマラハ厳正自然保護区

100kmつづく針の岩山

南北に100kmも続く針の岩山。世界でも類をみない大規模な奇岩地帯を生み出したのは、何とサンゴでした。ツィンギは、サンゴなどの死骸でできた石灰岩の地層が侵食されて誕生したのです。

針山を飛ぶ純白のサル

ツィンギ周辺だけに生息する純白のサル、デッケンシファカ。彼らは鋭く尖った針山のてっぺんで夜を過ごし、朝になると絶壁から絶壁へ大ジャンプして移動します。デッケンシファカが険しい針山を住処にする理由は、天敵のマングースから逃れるためでした。

奇妙な植物を育む地底湖

針山に刻まれた高さ100mもの谷。絶壁に囲まれた谷には、地下へと続く無数の穴があり、降りると洞窟が迷路のように張り巡らされていました。地下迷宮には乾季でも枯れない地底湖があり、針山に生えた植物が水を求めて、洞窟の中にまで根を伸ばしていました。

針のように鋭く尖った岩山が連なる「ツィンギ・ド・ベマラハ厳正自然保護区」。保護区につづく道に舗装された道路はなく、最寄りの街から車で12時間もかかります。さらに雨季には雨水が溢れ通行できないため、辿りつけるのは乾季の6ヶ月間だけ。まさに秘境中の秘境です。人の進入を拒む針の岩山は、奇妙な動植物の宝庫。今回、番組ではドローンを駆使して、これまで見たことのない映像の撮影に成功しました。

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