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2010年4月4日放送
ルウェンゾリ山地国立公園

幻の月の山

ナイル川の源流はどこにあるのか?2世紀の科学者プトレマイオスの描いた古地図にナイル源流として記された「月の山」求めて、多くの冒険家が旅に出るがことごとく失敗した。
そこはアフリカの奥地、深い森と沼地の先にあるルウェンゾリであるとわかったのは19世紀になってから。今回はその源流の地のナイルのはじめの1滴を求める冒険旅行記のテイストで構成した。

10メートルの草

ルウェンゾリの3500メートル付近には広大な湿地がある。そこで出会った、10メートルを超えることもあるというヤシの木のような奇妙な植物。それはキク科の「草」が巨大化した「ジャイアントセネシオ」というもの。他にも全身が毛に覆われて垂直に立つ「ジャイアントロベリア」やコケに覆われた神秘の森、高山に住むサンバード、ダイカー、カメレオン、幻の鳥ルウェンゾリトラコなど驚異の生態系も紹介。

赤道直下の氷河

ルウェンゾリはウガンダの赤道直下に位置する山頂の高さ5109mの高山。にもかかわらずその山頂付近に「氷河」を擁す。今回のナイル源流探しの旅は、その氷河から流れ落ちる1滴を求めて、岩場を超えて氷河に上り深い霧の中を歩くという危険を伴う撮影を敢行した。美しい映像だけでない、見ごたえのあるドキュメンタリーとなるよう心がけた。

ウガンダのルウェンゾリ山地国立公園は、その他に例のない特異な景観美と希少な生態系を有している。そして幻の「月の山」と呼ばれ、ナイルの源流として多くの冒険家が目指した。今回は6650キロメートルのナイルのはじめの1滴を求めて、長く困難な道のりを遡り驚異の自然を撮影をしながら歩き続けた10日間の記録である。