毎週金曜 よる10:00〜放送

生方のメッセージ

写真

やってきた亜紀。
空を見上げる――満月。
川面に映って、ゆらゆら揺れている。

亜紀「……」
  そのとき、同じく月を見にやってきた生方。
亜紀「(あ)……」
生方「(あ)……」
  お互いに驚く二人。
生方「……どうしたんですか。こんな時間に」
亜紀「そ、そっちこそ。どうしたの?こんな時間に一人で」
生方「俺は……独身だから」
亜紀「(笑って)それ、関係ある?いいじゃない、既婚者が一人で月見てたって」
生方「……いいですけど。でもやっぱり、おかしくない?」
亜紀「……おかしくないよ」
生方「何かあったんでしょ?」
亜紀「(ギク)な、ないって。何にもない(と、笑う)」
生方「(ため息)……何でいつも無理するかな」
亜紀「無理?私が?」
生方「してるじゃん、いつも」
亜紀「!……」
生方「無理して、笑って。友達とゴタゴタになっても平気なフリして――」
亜紀「無理なんかしてない!」
  と思わず声が上ずる亜紀。
亜紀「無理なんかしてなーい。だって幸せだもん」
生方「……幸せ?」
亜紀「幸せだよ?夫も優しいし、友達もいるし。子供たちも、ママのことが……」
  と、言葉がつまる亜紀。
亜紀「ママのことが、だい、大好きって……」
  その先が言えず、泣きそうになる亜紀。
生方「……」
  亜紀、こみあげそうになり、立ち去ろうとする。
  と――引き止める生方。
生方「俺は味方だから!」
亜紀「……え?」
生方「(はっとして慌てて)いや何ていうか、俺だって何かできることあるっていうか、もっと頼って欲しいっていうか……」
亜紀「?」
生方「とにかく……!」
  と、生方、自らのショールをとり、亜紀にかぶせた。
亜紀「!……」
生方「とにかく亜紀さんの力になりたいんだよ」
亜紀「(見て)……」
生方「世界中の皆が敵になっても、俺は亜紀さんの味方だから」
亜紀「……」

見つめあう二人――。

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