水戸黄門大学

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パナソニックドラマシアター水戸黄門 40周年第40部記念 スペシャルコンテンツ



うずまさ通信

/撮影所で働く、こだわりの職人さんたちをご紹介します

File.8【監督(かんとく)】

井上 泰治(いのうえ やすじ)さん

初代黄門様(東野英治郎さん)の頃から助監督を務めていた井上泰治監督。
『水戸黄門』との関わりは、実に30年近く!
第39部では長崎ロケも担当され、そのロケ終了後にお話をうかがうことができました。
『水戸黄門』と地方ロケについて

『水戸黄門』はご存知のように漫遊記です。
番組が長く続けられるのも、黄門様一行が各地を巡っていくという作りによる部分が大きいと思います。
だから地方色を出すことはとても大切。
方言は(視聴者が)聞きづらくなるのでやっていませんが、そのぶんハイビジョンで撮った現地の風景映像を盛り込むなどして地方色を出しています。
今は合成技術も進んでいるので、現地の風景映像と黄門様たち人物の映像を合成してもそれほど違和感はありません。
でも、先日の長崎ロケの諏訪神社のように、すべて現地で一発で撮るとなると、カメラのアングルでも人物の配置でも撮り方がまったく変わってくる。
そのぶん視聴者に伝わる迫力も違うわけで、そこが現地で本物を撮るよさですね。
それと、地方ロケができないにしても自分が事前に現地を訪れているのといないのとでは、やはり撮り方が変わってきます。
本物を体感していれば、どこまで作り込んでいいかなど判断にもなるし自信にもつながりますからね。
時代劇を地方で撮る難しさは?

まず現代ドラマとはロケの規模が違いますね。
長崎ロケもそうでしたが、撮影現場のスタッフだけでなく、カツラをつけたり着物を着せる準備のスタッフも必要。小さな撮影所がそっくり移動するようなものなんです。
そんな中、やっぱり一番大変なのは時代劇が撮影できる場所を探すこと。
長崎でも、出島を中心とした海の話なので本当は長崎らしいリアス式海岸のロケ地を探していたんですが、どこも開発されてしまっていたので断念しました。
地方はたとえ古いものが残っていたとしても周辺が“現代”だったり、石段にバリアフリーで手すりが付いていたりと、なかなか撮ることができない。
その点、京都はまだまだ昔の風景が残っていますからね。それに、エキストラも現代ドラマであれば、道を歩いたりするだけなら素人さんでも問題ないでしょうが、時代劇の場合は基本的に役者を仕立てています。
一般の方は着物を着慣れていないし、背が高いうえに猫背。その人から時代劇の匂いがしてこないんです。
そういうわけで、地方ロケは非常に大掛かりになってしまいますね。
『水戸黄門』を作る上で大切にしていることは?

黄門様一行はやはりひとつのファミリーなんですよね。
今シリーズ、若くて明るい早月というキャラクターが入ったことで、一家がはじけましたよね?
そういう新しいきっかけを、これからもどんどん作っていかないといけない。
長門さん扮する兵庫も実に個性が強烈。黄門様の家臣でありながら逆に説教をしてしまうという、『水戸黄門』の中でも特異な存在です。
そんな兵庫を要所要所で登場させることで、意表をついた面白さが出るのではないかと思っています。
このドラマが40年も支持されているのは、悪を懲らしめるからとか、印籠を見たいからというだけではないと思うんです。勧善懲悪や名物シーンがある作品はほかにいくらでもありましたからね。
そんな中で『水戸黄門』は、今の日本の連続ドラマで唯一、老人を主人公にした作品。黄門様が旅先でのさまざまな出来事を通して、助さん格さんに未来を託しているんです。
それは現代社会や家庭にも通じること。若い人に未来を託すという老人の役割をドラマの中でずっとやってきたことが、長寿番組につながったのではないでしょうか。
僕は常に、黄門様と助さん格さんとの間には主従関係と同時に師弟関係があると思ってやっています。これからもそういう師弟関係、人間関係をしっかり描いていくことが大事だと考えています。
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