今年、大阪で南和行さん(36)と吉田昌史さん(35)が、日本で初めての同性愛カップルの法律事務所を立ち上げた。

２年前に結婚式を挙げたふたりは、それぞれ幼い頃から自分は病気ではないかと苦しみ、周囲には女の子が好きと自分を偽って生きてきた。

そんなふたりが大学時代に出会い、ともに励ましあい、支えあいながら弁護士となった。そして、声を上げられない人たちの力になりたいと思い切ってカミングアウトし、事務所を立ち上げた。

同性愛や、心と身体の性が異なる性同一性障害などの性的少数者は、20人に1人といわれる。学校のクラスや職場に1人はいる計算だが、その殆どがカミングアウトできずにいる。偏見や差別にさらされ、自殺未遂率はそうでない人の6倍近くという調査もある。

一方、欧米では同性婚が認められるなど、性的少数者の存在を受け容れようとする動きもあり、同性愛をカミングアウトしている大阪・神戸アメリカ総領事のパトリック・リネハンさん(60)たちが南さん、吉田さんの理解者として支援している。

性的少数者が自分を偽らなくてもいい社会を目指す、弁護士“夫夫（ふうふ）”の日々を見つめる。