「人生に足りなかったもの、それは甲子園。16の時の忘れ物を取りにいく」。52歳になる元高校球児の想いである。それを叶える舞台、「マスターズ甲子園」は、高校野球OBが出身校別にチームを結成し、地区予選を勝ち抜けば甲子園に出場出来るという大会だ。 2010年は全国から16チームが甲子園出場の夢を果たし、福岡県立三池工業高校OBチームもマスターズ甲子園に挑むことになった。三池工業高校は昭和40年夏の甲子園で、初出場・初優勝した。 チーム最年長の早井裕次さん(52)。三池工業野球部時代、病名も分からないまま体調不良が続き、2か月で自主退部。試合はおろかユニフォームを着ることも出来なかった。 それから33年経った2007年、仲間の一言でOBチームが結成された。“早井に三池のユニフォームを着せたい、そして、みんなで甲子園に行こう!”。早井さんは控え選手だが、練習量はチーム一。勝つためなら試合に出場出来なくてもいいと言いながら、週4日はジムに通い、ダイエットをしながら、一人バッティングセンターで汗を流していた。 50歳を過ぎても、夢を追いかけ続ける元高校球児の2年間に密着。そこには、汗、土、白球、仲間、彼らの宝物が詰まっていた。
制作:RKB毎日放送
ディレクター:筒井 浩 |
■ バックナンバー
|