![]() ![]() 山田朋樹医師は、精神科医だ。同時に、救命救急医でもある。 ![]() 横浜市立大学病院の救命救急センターに常駐し、救急医療を担当しながら、必要な患者には精神科医としての診療も進めている。 救命救急センターに精神科医がいるのはきわめてめずらしい。なぜだろうか。 それは救命救急センターに搬送される重症者のなかに、かなりの率で自殺未遂者、自殺を試みる人びとが含まれているからだ。自殺未遂者は、身体面での治療を受けて退院しても、心の問題をケアされていないと再び自殺を試みる率が高い。そして自殺「既遂」者となる確率もまた高い。これが日本の自殺者の数を押し上げる一つの重要な要因となっている。 自殺未遂を減らせば、自殺そのものを減らすことができる。そのために、自殺未遂者に救急医療の段階から関わるべきではないか。 ![]() 山田医師たちの「自殺予防研究チーム」はこう考え、救命救急センターの最前線に立ち続けてきた。それが日本の自殺者を減らすという確信があったからだ。3年間にわたる「最前線の精神科医療」は、多くの命を救ってきたことを数字が語りはじめている。 |
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