特集

2023年9月17日放送「イヴィンドゥ国立公園」

密林の大瀑布とゾウたちが集う楽園

手つかずの熱帯林が広がるアフリカ・ガボン共和国の「イヴィンドゥ国立公園」。そこにある巨大な滝とマルミミゾウが棲む貴重な森を、日本のテレビ番組としては初めて紹介します。森の奥深くまで分け入り、貴重な映像を撮影してきた小澤ディレクターに話を聞きました。

日本のテレビ初撮影!イヴィンドゥの広大な熱帯林

密林に囲まれたイヴィンドゥ川をボートで下っていくと、巨大な滝が現れました。中部アフリカ最大の滝「コングウの滝」です。

──今回の「イヴィンドゥ国立公園」とは、どのような世界遺産なのでしょうか?

小澤ディレクター(以下、小澤):アフリカ中部の国、ガボン共和国にある自然遺産です。2021年に世界遺産に登録されました。東京都よりも広い面積のエリアに、手つかずの熱帯林が広がっています。日本のテレビでイヴィンドゥ国立公園を紹介するのは初めてとなります。

熱帯林が広がるイヴィンドゥ国立公園。マルミミゾウなどの絶滅危惧種が暮らす、手つかずの大自然です。

──イヴィンドゥ国立公園のどういったところを撮影してきたのでしょうか?

小澤:今回の番組では、アフリカ中部最大の滝「コングウの滝」と、森で暮らすマルミミゾウが集まる湿地「バイ」を中心に紹介します。広大で人に開発されていない森ですので、まず撮影場所へ辿り着くのが大変でした。海沿いにあるガボンの首都、リーブルビルから内陸のイヴィンドゥ国立公園までは、でこぼこの土の道を車で向かいました。さらにコングウの滝へは、国立公園の北部を流れるイヴィンドゥ川を木製のボートで下っていきました。水量が多い雨季の終わりごろに行ったのですが、増水した川面の下には大きな岩が隠れていることもあるので、ボートがぶつかったら一巻の終わりだなと思いながら川を下っていました。

中部アフリカ最大の滝を目指して、黒い川をボートで下っていきました。

──相当険しい道のりだったのですね。

小澤:そうですね。この川の水は不気味なほど黒く、それも相まって恐ろしかったです。「イヴィンドゥ」とは現地の言葉で「黒い」という意味で、川の両側に広がるジャングルから落ち葉などに含まれるタンニンが溶け出してそのような色になっているのです。

──密林に囲まれた黒い川をボートで下る旅とは、取材というよりほぼ冒険ですね。苦労の末にたどり着いた滝はどのような場所でしたか?

小澤:水かさが増していたこともあり、迫力の大瀑布でした。コングウの滝は幅が3kmもあるのですが、ナイアガラの滝のように全体を一望できるものではありません。13ものさまざまな形の滝が集まってコングウの滝になっています。全容を捉えるために撮影場所を何か所も変えたり、ドローンを飛ばしたりと撮影の方法を工夫する必要がありました。垂直に落ち込んだ滝や、段が重なっている滝など、さまざまな様子をお見せします。特に、滝の断崖の端ギリギリに三脚を立て決死の覚悟で撮影した映像には注目いただきたいです。

幅が3kmもある巨大な滝「コングウの滝」。迫力の大瀑布をギリギリまで迫って撮影しました。

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