特集

2023年1月8日放送「白川郷・五箇山の合掌造り集落」

8Kカメラで迫る合掌造り集落の四季

岐阜県および富山県の山あいにある世界遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」。長期にわたる取材で、その白川郷・五箇山の四季折々のシーンを最新の高精細カメラで撮影してきました。取材を担当した内田ディレクターに話を聞きました。

山あいに今も残る日本の原風景

白川郷・五箇山の山あいにある、今ではそこだけに残された風景。その四季を1年かけて高精細カメラに収めました。

──今回の「白川郷・五箇山の合掌造り集落」とは、どのような世界遺産なのでしょうか?

内田ディレクター(以下、内田):独自の建築様式である合掌造りと、そこでの生活が評価されて登録された文化遺産です。かつては多くの合掌造り集落がありましたが、現在は岐阜県白川郷と富山県五箇山にある相倉と菅沼の3つの集落だけで、それらが世界遺産となっています。番組でこの世界遺産を取り上げるのは3回目になります。

──過去の番組と今回ではどんな違いがあるのでしょうか?

内田:今回は「8K特別編 白川郷・五箇山の四季」と銘打ちまして、8Kカメラなどを駆使しておよそ1年かけて合掌造り集落の四季を撮影しました。通常の撮影だけでなく、ドローンにも8Kカメラを搭載し、特別な許可を得て撮ることができました。地上波放送ではフルハイビジョンに変換していますが、それでも四季折々の集落の美しさを感じられる高精細な映像となっています。

──具体的には季節ごとにどのような映像が見られるのでしょうか?

内田:集落を囲む山一面が色づく秋の紅葉から始まり、厳しい冬の雪景色、春の到来を告げるかのように咲き誇る桜、夏は緑豊かな集落に沸き立つ雲など、四季折々の自然と合掌造りが組み合わさった「これぞ日本の四季」という美しい景色をお見せします。

白川郷・五箇山の合掌造り集落の四季を、およそ1年に渡る長期取材で追いました。

──1年に渡る取材の中で、内田ディレクターはどの季節が最も印象に残っていますか?

内田:どれも印象的だったのですが、特に心に残っているのは冬の景色です。白川郷・五箇山の合掌造り集落は豪雪地帯で、繰り返し降り積もった雪が合掌屋根の傾斜で滑り落ち、溶けかけのアイスクリームのようで、なんとも不思議な形になっていました。

冬は雪に覆われる合掌造り集落。降り積もった雪によって自然の不思議な造形が生まれます。

──屋根の雪がそんなふうになるとはやはり相当な量が降るのですね。

内田:多い年には積雪が3mを超えることもあります。合掌造りの屋根は雪が積もりすぎると潰れてしまうことがあるので、屋根に人が登って雪下ろしをします。最大で高さ12mもの合掌屋根に住民が命綱なしで登り、雪を下ろすのです。軒下に雪を融かすための池がある家もあり、雪がそこに落ちるようになっています。豪雪地帯の暮らしの知恵ですね。

屋根の上に積もった雪を人が登って下ろします。軒下には、落とした雪を融かすための池がある家もあります。

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