特集

2022年7月31日放送「アントニ・ガウディの作品群」

自然から着想を得た奇才ガウディ

人々を驚かせる建物を作り続けたガウディ。その作品を空から撮影すると、そのユニークさがより一層見えてきます。

──その他にはどんなガウディ作品を見ることができるのでしょうか?

田口:バルセロナの町外れの丘にある「グエル公園」もガウディの傑作の1つです。元々はハゲ山だった土地に木を植え、分譲住宅地として町を作ったのです。特徴的な門や神殿風の市場、人工の森などがあります。木々の中をめぐる散策路が設けられ、レンガや鉄骨に岩などを貼り付けて作られた柱は森に溶け込むようになっています。広さが東京ドーム3個分もある、このグエル公園の全体像を空撮映像で感じていただきたいです。

広大な分譲住宅地として設計された「グエル公園」。ガウディが思い描いた理想郷とも言える作品です。

──分譲住宅地もガウディに手にかかると、ほかにはないユニークな場所になるのですね。

田口:新市街にはガウディが作った集合住宅「カサ・ミラ」もあります。波打つような形をした外観が特徴で、車で通りかかっても「何だこれ」と驚かされる建物です。このカサ・ミラを空から見ると、屋上もほとんど直線がなく、また建物に大きな穴が2つ空いているのがわかります。その穴はパティオと呼ばれる中庭で一般的には四角い形をしているものなのですが、カサ・ミラのパティオにはやはり曲線と曲面が用いられています。ドローンでこのパティオの中を飛んで撮影した映像は、会心の出来ですのでぜひご覧ください。

バルセロナの新市街の一角にある集合住宅「カサ・ミラ」。ガウディ・スタイルの完成形と呼ばれる建物で、正面から屋上、パティオまで、直線がほとんどありません。

──中庭でドローンを飛ばして撮影した映像とは迫力がありそうです。

田口:ほかにも、旧市街にある「グエル邸」はガウディの初期の傑作で、イスラムの宮殿のような大豪邸です。この建物の中には、ドーム型の天井を持つ広い吹き抜けがあります。サグラダ・ファミリアと同様に地下に太い柱を築くことで、そのような広い空間を支えているのです。吹き抜けの天井には明かり取りの穴がいくつも開いていて、星のように光が降り注ぐ様子が印象的です。その空間でもドローンを使って、天井に迫っていく素晴らしい映像を収めることができました。

ガウディを支援した実業家、グエルの邸宅「グエル邸」。高さ17.5mの吹き抜けの天井には、明かり取りの穴がいくつも開けられていて、星のように光が降り注ぎます。

──ガウディ作品の特別な映像、とても楽しみです。最後に視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

田口:番組で「アントニ・ガウディの作品群」を取り上げるのは4回目になるのですが、ドローンやヘリコプター、新しいカメラなどを駆使することで、いままでに見たことのないようなアングルで捉えることができたと思います。コロナ禍の間も番組を一緒に作ってきたバルセロナのスタッフと力を合わせて、素晴らしい映像を30分番組では収まらないほどたくさん撮影してきました。その中から厳選して皆さんへお届けしますので、ぜひご覧ください。

バルセロナの街のシンボルとも言えるガウディの作品を、これまで見たことのないような斬新な映像でご紹介しますので、お楽しみください。

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