特集

2022年5月1日放送「グレート・バリア・リーフ」

奇跡の絶景を生んだ世界最大のサンゴ礁

オーストラリアの北東部沿岸に広がる世界最大のサンゴ礁、グレート・バリア・リーフが今回の世界遺産です。空から地上、海中まで、さまざまな大自然の絶景をお届けします。番組を担当した江夏ディレクターに話を聞きました。

空から見た全長2300kmの大自然

オーストラリア太平洋岸に広がる世界最大のサンゴ礁、グレート・バリア・リーフ。その絶景を、特別な機材で空からカメラに収めました。

──今回の世界遺産「グレート・バリア・リーフ」は、観光スポットとしても人気の場所ですね。

江夏ディレクター(以下、江夏):番組でも複数回にわたってご紹介してきた自然遺産です。オーストラリアの北東部にある世界最大のサンゴ礁で、3000ものサンゴ礁が帯状に連なっていて、その全長は2300kmにもなります。

オーストラリア北東の沿岸に広がるグレート・バリア・リーフ。世界最大のサンゴ礁です。

──今回の放送ではどんなグレート・バリア・リーフを見ることができるのでしょうか?

江夏:今回特筆すべきは、防振装置に搭載された高精細カメラを使ってヘリコプターで撮影したところです。ドローンでは上がることができない高度から、スケールが大きくて美しいサンゴ礁を安定した映像で撮ることができました。

ヘリコプターから撮影すると、サンゴ礁のスケールの大きさやいくつものサンゴ礁が連なっている様子がわかります。

──具体的にはどんな映像を撮影したのでしょうか?

江夏:多くのサンゴ礁が広がっている様子を、沖合およそ30kmのところで高度1500mから空撮しました。こうしたサンゴ礁の規模の大きさがわかる映像は、これくらいの高さからでないと撮ることができません。また注目いただきたいのは、グレート・バリア・リーフの端、外海との境を撮った映像です。陸から沖へ60kmほどの場所で、ここは外海から寄せる波がサンゴ礁にあたって白波が立っています。海中では、海面ぎりぎりまでサンゴ礁が迫っていますが、外海側はサンゴ礁が突然垂直に落ち込んでいて巨大な壁のようになっているのです。

──大きなエリアにわたって広がっているサンゴ礁が、なぜその場所で壁になっているのでしょうか?

江夏:それは、グレート・バリア・リーフの成り立ちと関係しています。そこはかつてのオーストラリア大陸の海岸線だったのですが、大昔に起こった海面上昇で大陸沿岸部が海に沈みました。海中に生息するサンゴは光を求めて上へ上へと成長しつづけ、やがて壁のようなサンゴ礁になりました。荒波を受け止める巨大なサンゴの防壁なので「グレート・バリア・リーフ」と呼ばれるのです。

沖合60kmにあるグレート・バリア・リーフの端では、白波が立っています。海中ではサンゴ礁が垂直に落ち込んで壁のようになっています。

──文字通り「バリア=防壁」ということなのですね。

江夏:このサンゴ礁の防壁の内側は、一年中波が穏やかでサンゴの育成に適した浅瀬です。番組では、その豊かな自然とユニークで美しい絶景の数々をご紹介します。特にご覧いただきたいのは、世界一美しいと言われるビーチ「ホワイトヘブン・ビーチ」です。真っ白な砂とコバルトブルーの水によって描かれた不思議なマーブル模様は必見です。

真っ白な砂と青い海水でマーブル模様が描かれているホワイトヘブン・ビーチ。世界一美しいと言われるビーチです。

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