特集

2021年11月14日放送 特集「エオリエ諸島」

青い海に浮かぶ火山島のマグマが生んだ絶景

世界遺産「エオリエ諸島」とは、イタリアのシチリア島から30キロほど北、地中海に並ぶ7つの火山島です。古くから火山研究が始まり、今も活発な火山活動が続いています。今回はこの自然遺産のさまざまな火山の様子をご紹介します。番組を担当した江夏ディレクターにお話を聞きました。

夕闇が迫る中噴き出すマグマを空撮

エオリエ諸島で最も活発な火山活動が観察できるストロンボリ島。実際に噴火するマグマに迫ります。

──今回の「エオリエ諸島」とは、どんな世界遺産なのでしょうか?

江夏ディレクター(以下、江夏):イタリアのシチリア島の北東、地中海に浮かぶ7つの火山島です。火山の噴火でできた島々で、島ごとに異なる地形や山の様子が見られ、火山研究の重要な場所として知られています。中には噴火を間近で観察できる島もあるのです。

地中海に浮かぶ火山島、エオリエ諸島のブルカーノ島上空からリパリ島などを望んだ様子。

──噴火を観察できるということは今もマグマのしぶきが吹き出しているということですか?

江夏:はい。エオリエ諸島の島の1つ、ストロンボリ島では、毎日数十分に一度、噴火が起こっているのです。ストロンボリ島のマグマは粘り気が少ないため、比較的小規模な噴火を頻繁に起こすという性質を持っています。

ストロンボリ島は、噴火によってできた美しい円錐形をした島です。

マグマの粘り気が少ないストロンボリ島では、毎日噴火を観察することができます。

──噴火が毎日とは驚きです。番組ではどんな噴火の映像が見られるのでしょうか?

江夏:地上からも噴火を望遠で撮影をしましたが、やはり限界があるので、許可を得てドローンで安全に撮影できるぎりぎりまで噴火に接近してみました。

──それはすごい映像が撮れていそうですね。

江夏:はい、大迫力の映像が撮れました。小規模な噴火と言っても、マグマのしぶきが100m以上噴水のように噴き上がることもあるのでかなり見応えがあります。その様子を撮る際にこだわったのは、撮影の時間帯です。日中に噴火を撮っても、日光の明るさで赤く光るマグマのしぶきがよく見えません。なので明るい時間だけでなく、夕方から夜にかけても撮影しました。特に、日没時のまだ日の光が消えきっていないタイミング、いわゆるマジックアワーの映像をぜひご覧いただきたいです。山の稜線を背景にマグマのしぶきが噴き出る様子を捉えることができました。

──迫力満点の噴火の様子が見られる放送が楽しみです。

マグマのしぶきが噴火する様子にドローンで迫って撮影した映像をお届けします。日が暮れるタイミングを狙うことで、マグマのしぶきも山の姿も捉えることができました。

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