特集

2021年1月10日「知床」

放送25年スペシャル!8Kカメラが捉えた知床の四季

北海道東端にある「知床」は、2005年に日本で初めて陸地だけでなく海を含めて登録された自然遺産です。火山から流氷の海まで、知床の多種多様で豊かな自然を約1年にわたって取材した三浦ディレクターに話を聞きました。

硫黄の温泉が海へ流れ込む岸壁の滝に迫る

雄大な山々や海へ流れ落ちる滝、水面に映る紅葉など、知床の自然の魅力を、最新の高精細カメラで余すことなく映像に収めました。

1月10日の放送では、4Kと8K撮影した映像をハイビジョンに変換して放送

──自然遺産「知床」は番組として取り上げるのは3度目となるそうですね。今回はどんな内容となるのでしょうか?

三浦ディレクター(以下、三浦):世界遺産は2021年4月で放送開始から25周年となります。その節目となる年の最初の放送は「放送25年スペシャル4K8K特別編 知床の四季」としてお送りします。

──8Kということは高精細な映像で知床の自然が楽しめるのですね。

三浦:はい、最新のカメラを使って、最高品質の映像で撮影することができました。さらに今回は2020年1月から何度も現地を訪れ、ほぼ1年かけて四季折々の知床を撮影しました。

自然遺産「知床」を、1年にわたって取材し、四季折々の景色を4K8Kでカメラに収めました。

──力の入った取材ということで番組への期待が高まります。放送ではどんな映像を観られるのでしょうか?

三浦:まずご覧いただきたいのが、秋の知床連山です。知床半島は、付け根側にある羅臼岳から岬のほうへ、半島の真ん中にずらりと山が並んでいます。羅臼岳は標高1661mなのですが、それとほぼ同じ高度で飛んだヘリから、山々が連なる景色を撮影することができました。空から見るとよくわかるのですが、羅臼岳には巨大な溶岩ドームがあります。知床の山々は火山なのです。知床連山の中央にある硫黄山は、噴火すると硫黄が大量に噴き出る火山で、その周囲にはかつての噴火による珍しい地形があります。代表的なのが、番組でも取り上げているカムイワッカの滝と知床五湖です。

知床半島の真ん中を連なる山々。知床の地形は火山活動によって出来上がったものなのです。

──カムイワッカの滝はどんな地形なのでしょうか?

三浦:硫黄山から流れ出た温泉が海まで流れ着いて、海岸の断崖から直接海に注ぎ込む滝なのです。硫黄を含んだ湯が海に流れ込んでいるため、その付近の海水が変色しています。

火山活動で沸いた水が海に流れ込むカムイワッカの滝。8Kカメラを搭載したドローンで撮影しました。

──海に温泉が注ぎ込む滝とは、確かに珍しい地形ですね。

三浦:カムイワッカの滝は、知床半島西側の海岸にあります。東側の海岸と違って西側には浜がほとんどなく、崖が続いています。船で岸に近づくのも難しいのですが、ドローンに最新のコンパクトな8Kカメラを搭載して滝の様子を収めました。さらに滝の上流へドローンで迫った映像もぜひご覧ください。噴煙で危険なために登山が禁じられている場所を空から近づいて撮影しました。知床半島の火山活動を感じていただける映像だと思います。

絶景スポットとして知られる知床五湖。紅葉の季節は特に美しい景色を見ることができます。

──ドローンの空撮も8Kとはすごいですね。もう1つの知床五湖は、どんな場所なのでしょうか?

三浦:火山活動で硫黄山の山頂が崩れて生じたくぼみに水が溜まってできた湖です。絶景スポットとしても知られています。湖面へ映り込んだ紅葉など、高精細カメラで撮影した知床五湖の美しさは格別です。この紅葉の撮影の際、森の奥からエゾシカが姿を見せてくれました。その立派な角の質感や毛並みまで捉えた映像は、さすがは8Kと思いました。

森から顔をのぞかせた、見事な角をもつ雄のエゾシカ。

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