放送内容
タイの首都バンコクの北東に位置するドンパヤーイェン山脈にある4つの国立公園と1つの野生生物保護区が世界遺産に登録されている。今回訪れたのは「カオヤイ国立公園」。モンスーンがもたらす雨が生んだ水の豊かな森には落差150mの3段滝など絶景ポイントも多いが、世界遺産になった理由はアジアゾウやテナガザルなど絶滅危惧種が生息する貴重な森だからだ。野生ゾウの生態やタイの人々とゾウの深い関係を紹介する。
絶滅危惧種 野生ゾウの森
カオヤイ国立公園は野生のアジアゾウに出会える森。生息数は約300頭。森を縦断する道路や草原の塩場と呼ばれる穴にゾウの群れが現れるのだ。群れを成して行動するメスと子ゾウや単独行動をするオスなどの生態に迫る。
森を守ったゾウとタイの人々
古くからタイではゾウは神聖な動物とされてきたが、1987年にカオヤイ国立公園で悲劇が起きた。落差150mの滝に4頭のゾウの群れが落ち命を失ったのだ。原因は森林伐採だった。それがきっかけとなり森林保護の機運が高まり、世界遺産登録につながっていった。